父は79歳。母は73歳です。
コロナ禍で、母が一人で手術に立ち会っており、
手術室に自分で歩いて入っていく父を見送ったそうです。
父に「手術頑張って!」と声を掛けたら、
「おう、行ってくるよ」と軽く返事をしていたそう。
それから数時間後の左半完全身麻痺という状況に、
母のメンタルはドン底まで落ちました
・手術を受けなければ良かったのではないか
・他の病院だったら良かったのか
・医療過誤があったのではないか
・もっと健康管理をしっかりしておけばよかった
といった後悔や疑念。
そして
・このまま父が死んでしまうのではないか
・そうでないなら寝たきりになってしまうのではないか
・自分に介護が出来るのか
といったような不安。
どれも娘である私も思っていましたが、
母がそれを全面に出して泣くので、
私はひたすら母に
・手術を受けなければ良かったのではないか
→父は頸動狭窄はかなり進んでおり、実際に1ヶ月ほど前には
一過性脳虚血発作を起こしていた。
手術をしなければ、近いうちに脳梗塞を起こしていたはず。
運転でもしているときに脳梗塞を起こせば、他人を巻き込んで事故していたかもしれない。
それを考えれば、医者が雁首揃えているところで脳梗塞を起こしたお父さんは偉いよ(笑)。
・他の病院だったら良かったのか
→ずっと通っていた地元の総合病院(8年前の手術はここで受けた)から、
セカンドオピニオンとして紹介された大学病院で手術してもらった。
そこでは父のような症例の手術実績もあった。これ以上の選択肢なんてなかったよ。
・医療過誤があったのではないか
→何度も医師から説明してもらったし、画像も見せてもらった。
脳の血流を止めた時間も通常の範囲内だし、
頸動脈狭窄の手術自体は上手くいった。
結果的に失敗だっただけで、医療過誤とは言えないと思う。
・もっと健康管理をしっかりしておけばよかった
→母は超薄味志向の健康オタク。
毎日ヨーグルトと青汁を欠かさない(笑)。
父もそれに付き合っていたし、お酒も1日にビール1本程度だし、
それも手術前1ヶ月は止めていた。
タバコも吸わない。
趣味のゴルフや畑いじり等で運動もしている。
これ以上やれることなんてなかったよ。
・このまま父が死んでしまうのではないか
→お父さんは今頑張ってるんだから、そんなこと言わないで。
・そうでないなら寝たきりになってしまうのではないか
→そんなこと今はまだ分からない。これから治療もして、リハビリもある。
今から心配しても仕方ないよ。
・自分に介護が出来るのか
→本当に寝たきりになるなら、施設も含めて考えるしかない。
お母さんにはお母さんの人生があるし、
寝たきりの人の介護を家でするのは無理だと思う。
でも娘も3人いるんだし、みんなで考えていこう。
といった感じの問答を1日に何度も何度もしていました。
私自身も、母に話しながら自分にも話しかけて納得しようと必死でした。
母が一番納得できたのは
「手術をしなければ、近いうちに脳梗塞を起こしていたはず。
運転でもしているときに脳梗塞を起こせば、他人を巻き込んで事故していたかもしれない」
というところだったようです。
父は頑固で、免許の返納なんて以ての外
ゴルフも好きで、毎日のように車に乗っていたので、
母や娘たちは本当に心配していました。
だからこそ、父が他人様を巻き込む事故を起こさずに済んだことだけは、
母も安心したようです。
それでも、1日に何度も弱音を吐く母に、
「とにかく今はお母さんは自分の健康に気を付けて!
お母さんまで倒れたら、私達娘は生活がなりゆかなくなるから!」
と叱咤激励する日々でした。