もうすぐ彼が乗ってくる駅
あれ
ホームに姿が見えない
ちょっと心配してたら
彼が肩で息をしながら
飛び乗ってきた
寝坊したの?
私が尋ねると
走ったら汗かいちゃったよ
彼はそう言って笑う
私たちは通学時間に
話し合う仲に最近なった
きっかけはちょっとした偶然
彼の落とした定期を拾ったから
その時は同じことをしてるって
心の中で笑っちゃった
それから私たちは電車の中で
お互い挨拶をするようになり
季節が夏に変わる頃には
私が降りる駅まで話をするのが
朝の楽しみになりました
昨日のテレビ何見たとか
あの曲いいよねとか
何気ない会話なのに心は弾んで
時間がすぎるのが早く感じるから
降りる駅にすぐ着いちゃう
もっと電車が
ゆっくり走ればいいのに
そんな無理なことを考えるのも
楽しいよね
彼はどうおもってるのかな
もしかして
この電車に遅れたくなくて
走ってきたのかな
わたしはそんなことを
考えながら密かに願う
明日も彼に会えますようにって