ひさ~~~しぶりに難解な読み応えがある原書を読破。
そして、
こんなに「訳本」の有り難味を味わったのもひさ~~しぶり。
加齢のせい、にはしたくはないものの、
どうも「根気」というものが低下しているのか、
「訳本」があるという「安心感」からなのか、
ついついページをめくってしまいました。
アルフォンソ・リンギス
何も共有していない者たちの共同体
野谷啓二 訳/堀田義太郎・田崎英明 解説
発行元 : 洛北出版
四六判 ・ 上製 ・ 288頁
2006年2月発行
「言葉」を使って考える、という行為。
そのために逃してしまう「noise」。
「言葉」で考えるのでは表現しつくせない「世界のざわめき」
「世界のざわめき」の章・・
言語とは単に、私たちの経験を同等で交換可能なものとして扱えるようにする
「人間の約束」によって制定された一つのコードではなく、
むしろ、自然のざわめき――動物の、最終的には、
存在し反響するすべての物のざわめき――から生じるもの
言語というコードを鳴り響かせるとき、私たちは、
人間の解読者とだけではなく、自然界が奏でる歌、不平、雑音とも意思を疎通させる・・・・
「死の共同体」の章・・・
人が死にゆく人と形づくる共同体を考察
・・・・・序文
私たちと何も共有するもののない――人種的つながりも、言語も、宗教も、経済的な利害関係もない――人びとの死が、私たちと関係している。この確信が、今日、多くの人びとのなかに、ますます明らかなかたちで広がりつつあるのではないだろうか? 私たちはおぼろげながら感じているのだ。私たちの世代は、つきつめれば、カンボジアやソマリアの人びと、そして私たち自身の都市の路上で生活する、社会から追放された人びとを見捨てることによって、今まさに審判を受けているのだ、と。
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