今日はおもいっきり太平洋高気圧が張り出している

 

梅雨の中休みだかどうだか知らないが

今日に限って言えば本物の夏だ

 

汗が頬を流れ落ちても

心地よい

 

似て非なるもの

あゝ、太平洋高気圧は別物だ

 

最上級の新潟コシヒカリの新米を炊いて

ご飯の一粒一粒がすっくと立っているように

 

白血球や赤血球や血小板が力強く立ち上がり

秘境の沢を音を立てて流れ落ちる

 

これでよく冷えたトコロテンか冷やし中華でもつるりと食えば

もう言うことのない幸せの形に思えてくる

 

夏って本来、こんなもんじゃなかったか?

人間って本来、こんなもんだよな

 

ステテコにランニングに麦わら帽子

空はどこまでも高く、白い雲が一握り浮いている

 

打ち水、長椅子、ラムネ、アイスケーキ

蚊取り線香、麦茶、うちわ、風鈴・・

 

何もなかったが

これが欲しいという物もなかった

 

高気圧の下、子供心にも

飾り気のない日常の叙情的なすべてに満足していた

 

 

ところで

 

人間の数を超える室外機から吐き出される熱風や

コンクリートやアスファルトで熱せられた大気は

どこに行けばいいのだろうか

 

続々と増え続けるデータセンター内では肌寒いほどに冷却され

無数のサーバーが稼働し、冷却ファンが唸りまくっていることだろう

 

確かに、太平洋高気圧が張り出してきても

余計な熱が迷気となって頭の上に滞留している

業なもんだ

 

だから35度なんだが

まあいい

 

俺の血は

かろうじて立っている