今野敏の「聖拳伝説」シリーズ全3巻を読み終えた

(「聖拳伝説1 降臨」「聖拳伝説2 襲来」「聖拳伝説3激突」)

 

いや久しぶりに面白かった

今野敏にはこれまで縁がなかったが

新たなフィールドを見つけた気分だ

 

この世は二元論的な捉え方に満ちている

この世がそのように出来ているのか

人間がそう捉えるように出来ているのかは知らない

 

天と地、生と死、有と無、無限と有限、光と闇、陽と陰

戦争と平和、善と悪、幸福と不幸、美と醜・・

それこそ無限にある

 

プラスとマイナス、物質と反物質・・

右と左、上と下、高と低、大と小、未来と過去・・

男と女、本能と理性、リアルとバーチャル・・

 

この世は物質世界も概念世界もことごとく対になっている

 

そんななかで

今までことさらに意識したことのない対比が「聖と邪」だった

 

しかしながらこの世界を見るときに、実は「聖と邪」という視点が

ものすごく重要なのではないかと思い至った

 

物質世界も概念世界もその多くがこの「聖」と「邪」に

分類出来るし、またその捉え方は不気味なほどに

この世の本質につながっているような気がするのだ

 

だからこそ

例えば、闇や、陰や、悪や、醜や、それに類する多くの概念や状態は

「邪」として、注意深く用心しなければならないし

対する、光や、陽や、善や、美や、それに類する多くの概念や状態は

「聖」として、つとめて意識的に寄り添っていかなければならない重要なものなのだ

 

つまり対なのだから、いつでも瞬時に反転し得る

 

このわたしの世界、わたしの宇宙はいつでも

どうにでも変容し得るのだ

 

似たようなものだと言っているのではない

すぐそこに、悍ましい敵がいることを知らなければならないのだ