人間は60兆個の細胞で出来ており
一つの細胞に含まれる原子の数は1000兆個であるという
どこまでも広がる広大無辺な大宇宙に呑まれてしまい
茫然自失の僕ではあったが
原子のような恒星と細胞のような銀河に気が付いて
ようやく我に帰った
僕とて、原子が作った細胞と、細胞が作った身体という
少なくとも二つの、壮大な宇宙の上に意識を宿している
しかもこの二つの宇宙は明白な生命体だ
僕は僕の中にすでに
凄まじい奇跡と無限をいくつも内包している
広大無辺な大宇宙は
遥かなる過去が可視化されて錯綜しており
幾重にも重層的に広がる極微な宇宙もまた
何らかの形で響き合いこの宇宙に可視化されている
宇宙のすべてを僕はすでに知っていて
奈落の底に慄く必要はないのかもしれない
僕の意識は僕の内にある少なくとも二つの宇宙の上に
奇跡のように宿っているのだから