ヨメテラスのキャビネット型ケース開発への道 その6「面発光の導入」 | フィギュアケースメーカーヨメテラス公式ブログ

フィギュアケースメーカーヨメテラス公式ブログ

高演色性ダウンライトやUVカット板にAS板など付加価値の高いケースの制作・販売をしているヨメテラスの公式ブログ。ケース制作の様子やフィギュアをかっこよくディスプレイするための情報など。

キャビネット型ケース開発への道 その6

 

前回はダウンライトを試作キャビネットに設置しましてが、今回はさらにそこに「面発光」を導入してみたいと思います。

 

※前回の記事はコチラから

 

【面発光の選択】

面発光はその名の通り面全体を発光させることで、広範囲を均一に照らし出すことができることができる照明方法です。
 
上や下から照らして対象を照らすディスプレイで使われたり、背面から照らし看板などでも広く使われている方法なので、意外に皆さん普段結構目にする機会も多いのではないかと思います。
 
そんな面発光ですがヨメテラスでは普段採用しているのは、乳白色アクリルの下からLEDで照らすという方法です。
一番コストのかからない方法ですが、1点「ある程度の高さが必要」という問題点があります。
LEDとアクリル板との距離が近すぎるとLEDの影がアクリルに写ってしまい綺麗でないので、最低でも80mmほどの高さを要します。
 
そのためこのキャビネットの基礎と成っているレコフレームに設置するには高さがありすぎて採用できません。
 
レコフレームに設置するための面発光を仕込むための基礎
ここに従来の方法でLEDとアクリルを設置しても影が顕著に表れてとても採用不可能です。
 
 
 
 
 
そこで採用するのは面でなく側面のエッジ部を囲うようにLEDを設置する方法。
これでLEDの光を直に照らすのではなく間接的に照射して程よい光源を得るという試みです。
 
 
ということで、レコフレームに設置可能な薄さの面発光を探るべくいくつか検証してみました。
 
 

1. LED+乳白アクリル

まず最初に試したのがシンプルにそのまま上に乳白アクリルを乗せるというもの。
 
 
結果はこの通り、、、
明るくなったのはLEDのあるエッジ付近のみでそれ以外はてんで暗いままです。
これではまったく話にならないのでこの案はボツですね。
 
 

2. LED+ダブル乳白アクリル

 
次に試したのが底に乳白アクリルを設置しその上から再度乳白アクリルを乗せるという方法です。
下の乳白アクリルの明るさを上のものに伝える、みたいな感じでトライしてみました。
 
 
結果はこのように。
最初の直に置いたものよりも若干ではありますが中央付近も明るくなっている気がします。
とはいえこれではまだまだ全然本来の面発光とはいえませんのでこの方法も採用できませんね。
 
 

3. LED+ミラー+乳白アクリル

 
今度は下にミラー調アクリルを敷いたものでトライしてみました。
その意図は先ほどのダブル乳白と同じです。
 
 
結果はこちら。
さらに若干明るくはなりましたが、これでも面発光に必要な基準は満たしていません。
 
 
4. 最終兵器の導光板・・・
できればこの方法は避けたかったのですが・・・
とはいえ他によさそうな方法もなかったので、最後はやはり薄い面発光といえばこれです。
導光板を使った方法です。
 
導光板とは厚みのあるアクリル板の一面にこまかなドット調のレーザー加工を施し、それを伝った光で面発光を行うという方法です。
 
 
 
 
導光板にLEDを照射するとこのようになります。
ちょっとわかりにくいですがドット調のレーザー加工された部分にのみ、LEDの光が伝達して光っています。
 
 
そしてこの上に乳白アクリルを乗せると・・・
 
 
 
はい、、、
見事文句なしに明るいですw
 
この方法が一番ベストというのは実は試すまでもなく分かっていたことで、以前にもヨメテラスはこの導光板での面発光を取り入れた時期がありました。
 
 
これはヨメテラスの一番最初も最初に製作したケースで、導光板を使用した面発光を取り入れたものです。
導光板の魅力はその明るさとそれをこの薄さでできてしまうという点にありますが、反面かかるコストがとても高いです。
ことフィギュアケースに関しては台座に面発光を使用した場合、特別薄い必要がないということもあり現在では上記に説明したLEDを下から照らす方法へとシフトしました。
 
ただ今回はキャビネットに面発光を取り入れるにはある程度の薄さを必要とし、それに当てはまる方法は導光板以外でないかなと探ってはみたのですが・・・
 
残念ながらやはり導光板が一番しっくりきますw
 
 
一見漫画製作などで使われるトレース台のようにも見えますが、その明るさは比較になりませんという感じです。
 
これのどこにそんなにコストかかるん?とお思いの方もいらっしゃると思いますが、大幅なコスト増を促しているのは導光板に使用するアクリルとそれにドット調のレーザー加工をする費用なんです。
あの小ささに等間隔でレーザー加工するという施工費と、そもそもアクリル自体も厚みのあるものあのでそれ自体もそこそこに高いのです。
 
あと地味にコストだけでなくその重さもなかなかにヘビーなので、こうしたキャビネットで使用した際にはコストも重さもかなりのものに・・・なる予感はものすごくあります^^;
 
=================================================================
 
と、今回はちょっと長くなってしまいましたね。
本当はこのままキャビネットに設置するところまでご紹介したかったのですが、長すぎても見ている方大変だと思いますので一旦ここで切ります。
 
次回はこの続きで実際に導光板仕様の面発光を試作キャビネットに設置したいと思います。