あれは2度目に義両親が日本に来た時のこと。
一度目の来日で味をしめてしまったタダ飯、タダ宿。
ダンナは年に2~3回オーストラリアに帰るのに、また日本に来たいと言い出した。
私の父が義両親を連れて、皆で中華料理屋に行こうと提案。
私の両親と兄達、ダンナと私と義両親。
そういえば中華に義両親と行くのは、その時が初めてだった。
行きつけのお店で、2階を貸切にしてくれた。
メニューはアラカルトなので、好きなものを頼む。
義両親は中華が好きなので、大満足のようだった。
父と母の会話が、そばに座っていた私に聞こえてきた。
「お義父さん、ここの料理気に入ったようだね。」
「そうね、でもスゴイ勢いで食べてるから、足りないんじゃないかしら?」
「じゃあ、もっと注文しよう。」
父が義父のそばに座っていた兄に、もっと注文するように合図する。
いつものことながら、もうお腹いっぱいだという大げさなジェスチャーをする義父。
あとで隠れてサンドイッチ食べるくせに
義母はタダ飯とあって、遠慮する素振りも見せない。
兄は義父が遠慮していると思って、追加で2品頼んだ。
この時点で義父以外の全員がほぼ満腹。
しかし、ものすごいスピードで2皿平らげた義父。
「ほら、やっぱり足りなかったんだよ。」
「それにしても食べるわねぇ。」
と話す父と母。
兄にもっと注文するように促す父。
追加注文した皿もほぼ食べ終わる頃に、また注文しようと手を挙げる兄。
そこでとうとう義父が、
「もう、お腹一杯だから。」
と、手を振りながら言った。
しかし父も母も信じない。
「いや、あれは遠慮してるぞ。」
「そうね。じゃあ、もう一皿頼みましょう。」
結局もう一皿平らげた義父。
「まだ、いけそうだな。」
と、さらに注文しようとする父。
とうとう義父がSOSのサインをダンナに出した。
ダンナから言われ、父にこれ以上注文するのを止めさせた。
私の両親は足りないだろうと思って注文し、
義父は残したらもったいないと思ったらしい。
私は知ってたけど、気付かないフリして黙って観察していた。
クククッ・・・・・・・。
止めなきゃどんだけ食べるのか見たかったの。
あの胃袋はエアバック並みだな。
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