休暇で来たオーストラリアの最終日。
いつも最終日は義両親と一緒に最後の晩餐 ご飯を食べる。
この日は近くのレストランへ行く事に。
実は、私は4年前に父を癌で亡くしている。
8ヶ月にも及ぶ闘病の末だった。
私達夫婦は、まだその時東京で暮らしていた。
胃の全摘出を初め、二度の大手術と抗がん剤治療。
本人はもちろん、家族も大変だった。
美食家の父にとって胃全摘は辛かったに違いないが、それでも最後まで頑張っていた。
「最後まであきらめるな」ということを、父が体を張って教えてくれた気がする。
話は元に戻るが、レストランで料理が来るのを待っている間の事。
突然、義父が私に向かって言った。
「キャロルのお父さんに、手術を受けさせるべきじゃなかった。」
「ど、どうしてですか?」
「だって彼は食べる事が好きだったじゃないか。どうせ長くはなかったんだから、胃を取るべきじゃなかったんだ。」
確かに8ヶ月も闘病生活しなくて良かったかもしれない。
しかしあの時、緊急手術をしなかったら、おそらく父はすぐに亡くなっていた。
それも本人と家族全員でよく話し合って決めたことである。
なにより、あの8ヶ月がなかったらお互いに思い残すことがありすぎて、ノイローゼになっていただろう。
その後も何度も頭を横に振りながら、
「手術をしない方がよかったんだ。」と言われた。
それより義父にえらそーな事言われる筋合いは全くない。
・・・・・・・・・。
義両親よ、父の入院中、一度も来なかったじゃないか?
それより今更、何が言いたいのか分かりませんが