日本では正月に宮城道雄作曲の「春の海」がテレビのCMやスーパー等、あちらこちらで流されて耳にタコの人が多いかと思うが、海外、中国は上海に住んでいる私には日本の正月を感じさせてくれる音楽なので、去年と同じく元日に宮城道雄の筝曲を聴いた。以前、ブログに書いたが、宮城道雄の筝曲は晴れた日に梅昆布茶でも啜りながら、岩波文庫から刊行されている彼の随筆集を読みながら、のんびりと聴くのが良い。
今年は宮城道雄を聴いた後に去年2025年の12月12日にEM Recordsからリリースされたaus(アウス)の『Eau』(『オー』)を聴いてみた。ausは作曲家/プロデューサーのフクゾノヤスヒコのソロ・プロジェクトで、『Eau』はEM RecordsとレーベルFLAUが初めてコラボレーションしてリリースしたアルバムだそうな。
aus(フクゾノヤスヒコ)
Eau
【収録曲】
01. Tsuyu
02. Uki
03. Variation Ⅰ
04. Orientation
05. Variation Ⅱ
06. Tsuzure
07. Shite
08. Minawa
09. Soko
10. Strand
私は今までausの他のアルバムを聴いた事は無いのだが、『Eau』は箏奏者の奥野楽(おくの・えでん)を全面的にフィーチャーして作られたそうなのだが、実際に聴いてみると主役は奥野楽の箏のように聴こえる。フクゾノヤスヒコのサウンドは控えめなバッキング・サウンドのように聴こえるのだが、それは奥野楽の箏を引き立てる為のサウンド・デザインだろう。バッキング・サウンドには水が流れる音やフィールド・レコーディングしたような音も含まれているのだが、水が流れる音の場面では、私の脳裏に日本庭園の風景が浮かんだ。
『Eau』の詳細な紹介は以下のEM Recordsのアルバム紹介記事を見て頂こう。
UNCANNYというWebマガジンに『Eau』制作に関するフクゾノヤスヒコへのインタヴュー記事が有る。これを読めば『Eau』への興味がより増す事になるのではないかな。
若い人達には正月に『Eau』のような筝曲を聴いて貰って、和楽器の箏や純邦楽に親しむきっかけを持って貰いたいと思ったな。
今日の上海は雨後曇りの寒い天気だが、暖かい春が来たら、もう一回聴いてみよう。そう言えば、まだ、『Eau』と梅昆布茶が合うかどうか試していない。

