先日知人と飲んだ。

一年弱ぶりに会う彼の夢を訊くと、独立後にゲスト講師として若者に教授したいとの事だった。

今以上に多忙を極めるというのに大丈夫なのか尋ねると、人材育成が自分の生きがいになってゆくはずだと熱く語っていた。

 

さて、乃万哲一さんの夢はココス朝食バイキングの全国制覇だ。

とにかく日本中のココスで朝飯をしこたま食いたいのだという。

 

41歳の男が何故にそんな事を言っているのかは誰にも解らない。

アラフォーのMAX鈴木も、なんか知らないけどなるべく速くホットドッグを大量に食いたいみたいだし、世の中にはそういう人がいる、という事だ。

 

そんな、ココスの朝飯に取りつかれた人生を送る哲一が、

普段朝飯に何を食ってるのか今一度思い出してみた。

 

あれもあった、あんなのもあった。

目を閉じると走馬灯のように巡る乃万家の食卓風景。

 

筍ごはん、前髪、ビビンパ、サムゲタン、前髪、豆ごはん

 

サブリミナルにノリエさんがフラッシュバックする。

慌てて目を開ける。

 

というわけで、今回強烈に思い出したのはサムゲタン回だ。

その食卓を見て言葉を失った。

サムゲタン、スープ、豆ごはんが並んでいた。

カレーにシチューが添えられているくらいの衝撃。

ノリエ、ちょっと脳みそ見せてみろと。前髪クリップで留めるの何故だと。

 

家庭の食卓なんて、特に朝飯なんて全然雑で良いと思う。

雑な食卓動画の方がむしろ好きだ。

 

でも乃万家の雑さはなんというか、明太子だけで白飯かっこませて、

あんたたち行ってきなさいガキ共!と寝坊した母親が送り出すあの微笑ましい雑さとは違って妙な寒気がするのだ。

明太子オンリーに比べれば確実に手が込んでいるはずなのに。

 

何故だろう。

 

明太子戦、第二章へ続く。