十一月二十一日

枯葎人の通りし如く揺れ

(昭和三十一年)









季語は「枯葎(かれむぐら)」で冬の季語。夏の間繁茂するが、冬は見る影もなく枯れ果てる。八重葎は幾重にも生い茂った金葎や雑草をいう。八重葎というアカネ科の越年草もあるが、これとは別である。尚、「葎」は夏の季語。











(画像お借りしました)





枯葎がまるでその側を人が通ったかのように揺れている、という句である。

















虚子一日一句

星野立子編

朝日文庫

昭和60年3月20日 第1刷発行











枯れ枯れて嵩のへりたる葎かな

高浜虚子


酔眼を瞠きみひらき枯葎

石川桂郎


火を挙げて男は暑し枯葎

能村登四郎


ものの影ばさと置きたる枯葎

木下夕爾