倅よりも先に眠りこけてしまったきのうの夜。
きのうは体調不良をおしてなんとか仕事だけは終わらせたのだが、社の夕礼を締めてる時、不覚にもヨレちゃって自分でも何喋ってんだかよく分からなくなり、着地点見失なうほどの不出来。
外野から野次られ、「うるせえ!ラリってるわけじゃねえぞ、っていうか、みなさん今日も一日本当にお疲れ様でした」まわりの失笑なんのその、一直線で帰宅して、諸々済ませてベッドへダイブ。
早めに多めに睡眠とったからか、今朝はなんとかいつものような朝を迎えられた。
しかしながら今ひとつ身体は重い。
よくやるやり口だが、おのれを鼓舞するための本日のテーマソングを流す。
流した曲が、下の曲。
音拝借
ほら、よくボクサーとかプロレスラーとか、試合の入場時に曲を流すでしょ?
アントニオ猪木なら「イノキ・ボンバイエ!」ブッチャーなら「吹けよ風、呼べよ嵐」マスカラスならジグソーの「スカイ・ハイ」亀田興毅ならかアイ・オブ・ザ・タイガー」とかって曲を流しますよね、あんな感じで今日のぼくのテーマソングはこれでした。
気骨張ってて気合い乗っかってる曲だ。
そして夕方帰宅。
調子の良かった日には帰ってからも耳の奥のほうで朝自分宛てにかけたテーマソングが流れてます。
先日仕事帰りに古書店の店頭均一台をひやかしてたらふとももの高さに異彩を放ってた裸本に目が止まった。
きょうは、このなかから詩をひとつ。
【都會の疲勞】
壊れた心臓をおきざりにして
動乱は遠く去って行つた
手をのばして
手をのばして
やつと摑んだものは
からつぽのコツプか
眼もない 耳もない 鼻もない
つんつるてんの女の顔か………
ガタン! と
ドアが内側にひらいて
風が………
空から吹き落とした星といつしょに
都會の疲勞を背負つた半纏着を
石ころのやうに投げこんで行つた
夜から朝へ
岡本 潤
岡本潤は大杉栄らのアナーキズムに触れ『日本社会主義同盟』に加わり、そのころより詩作。
壺井繁治、川崎長太郎、萩原恭次郎らと『赤と黒』を創刊した。
「夜から朝へ」は岡本の処女詩集。
戦後にコンミユニズムに転じて金子光晴、秋山清らと『コスモス』を創刊した。
《最初の衝撃》
全集・現代文学の発見・第一巻
責任編集/大岡昇平・平野謙・佐々木基一・埴谷雄高・花田清輝
学藝書林
昭和43年9月10日第1刷発行
このシリーズ、1巻から16巻プラス別巻での全集版。
よく古書店で端本で出回っているが、朱色の背表紙からのオーラに負けて買ってしまった。
勿論内容が面白そうだったからなのだが。
〝明治文学との訣別と世界的同時性への展開〟とあり、文学の進歩と変化はその内在する新しい主張が新参から当代のオーソドックスに向けて突撃することによって始まり、そして発展する。
下克上ってか。
わが近代文学の変革は、明治期の権威にたいする大正初期の若々しい抗争によって出発した…などとあり、大杉栄、辻潤、武林無想庵、平戸廉吉、高橋新吉、萩原恭次郎、岡本潤、村山知義らの作品を所収。
収録されている他の作品(詩・小説・エッセイ)も、それぞれ衝撃的な内容の作品ばかり。
解説執筆者はアナキズム系詩人の秋山清。
プロレタリアートの息吹を感じるにはもってこいの一冊だな。
明日のために其の一
今夜はこの曲で締めます
意味は
特になしです…
音拝借