4 | 浴室

何食わぬ顔をしてホテルに向かう。
隠しきれない好奇の眼差しが向けられている気がするけれども、いつものことだから別にどうも思わない。

わたし、この人のこと好きなのかな?
それとも、嫌いな人と肌を重ねることはとても辛いことだから、どうせなら楽しんだほうが良いというような自己防衛反応が働いているのかな?

バスローブを着たまま浴室から出て、ベッドに座る。満足気な顔をして近付いてくる男に、なすがままに覆いかぶさられれば、目の前が暗くなって唇を塞がれる。
呼吸を合わせている内に、あっという間に裸にされて絡み合うように抱きつけば、もうそこは、立派なモノ。

「ねぇ‥?」

甘ったれた声で腕を導かれたら、申し訳ない程度に触れて。
凄い、だか、熱い、だか、大きい、だか、そんなことをそっと恥ずかしげに囁けば、もう我慢出来ないとばかりにわたしを組み敷き、そのままインサート‥‥と思えば興奮我慢できずに、太股に一瞬擦れて敢えなく射精。





















なんてことは流石に無いのだけれども、もしそうなったらどうやって慰めようとか、この人こんなにしながらもよくわたしの体触ったり舐めたり頑張れるなあと感心してしまう。

けれど、わたし、この人のセックス嫌いじゃない。
なんていうのか、肌が合うのかな。

良い感じに酔いが回るように計算して飲んでいるから、飲むのは仕事だから。
大体どの位飲めばどの位酔うかも判る。
だから何も考えないように集中して。
「イイ」所を嬲られれば、勿論わたしもイイ声で鳴くだろうし、背中に爪を立てたりカワイイこともする。
わたしの体はとめどなく濡れて。




「‥大好‥きっ‥‥‥」




―――わたしの何が好き?体が好き?わたしのナカが好き?わたしの顔が好き?

何?何が大好き?

聞きたい気持ちを抑えながら、相手の頭を押さえ込んだ。

どこか冷静な頭の中。

絶頂を迎えた相手の体をそっと抱き締めた。
荒い息を整える相手。

黙って目をつぶっていると、なんだか泣きたくなった。










―――わたしの体は余すことなく埋められているはずなのに、なんでこんなに
















虚しいのかな?