苦痛 | 浴室

苦痛

苦痛を感じられなくなってきている自分がいる。おかしいと思いつつも冷静になってしまう。


否、私は私が苦痛を感じること正常を保っていたのに、苦痛すら感じられなくなってしまっているのか。


当たり前のように微笑んで、当たり前のように体を重ねて、当たり前のように、喘ぐ。


気持ちよくなくても濡れる私の体。勘違いはしないで欲しい。


彼の愛撫を考える。彼と共通の愛撫を探す。彼だと思おうとして、彼だと思おうとして、目を閉じる。


一切の情報を遮断。目の前にいる人物が誰だかわからない。


満足そうにわたしを見下ろす客を見て、私はこう囁く。



『見ない、、、で、、、、』



嗚呼、顔が見えるから正常位が好きだとか、又会いたいだとか、気持ちが良いだとか。


もう、どうでも良いよ。私が見てるのは、私が見えるのは、お金だけだよ。


貴方じゃない。



彼と向き合った。