素質 | 浴室

素質

元々素質はあったのだろうか。


しかし、気付いた時には風俗をやっている女性の知人はいた。



仕事だからと快感を感じる自分が許せなくて、快感を遮断するようにした。


意思とは裏腹に濡れるわたしの体。


濡れるわたしの体を見て喜ぶ男。




ええ、わたしはおもちゃです。


ええ、わたしは玩具です。




彼がわたしの体を弄っても、お客様の顔がちらついて、台詞がちらついて、没頭できない。




自業自得だと判っていても虚しくて、やりきれない。





プライベートでは潔癖なわたし。


きっと、花魁以外のわたしは潔癖。






昔は仕事の後はおかしくなって、少し、意味不明な言動もあったけれど、最近はそれすらない。


情事の後の虚しさすら感じられない。


苦痛を感じられているうちは良かった。


感じないようにしたかったのはわたしなのに、苦痛の感じられないわたしが許せない。





情事の最中に笑いそうになる。


誰に対しての吹聴なのか、わたしもわからない。