不意に呼ばれた時に
「なぁ!?」
ではなく
「えっ!?」
と、返事するする自分がいる
郷里を離れて、はや30年
体に染み付いた郷里の言葉は抜けてしまった
郷里と電話で話すとき
数年に1回、郷里に帰ったとき
郷里の言葉で話す自分がいる
でも、それは
からだからにじみ出てきた言葉ではなく
記憶の中から出てきた言葉
全然違う
わかってる
郷里に帰ると
友の店に寄る
笑顔で「おかえり!」の言葉
ありがたい
父の健康がすぐれない
母の記憶は様々な時代をさまよっているよう
父母がいなくなったとき
私はどこへ帰ればいいのだろう
私にはもう、帰るべき郷里は無いのだろうか