25日金曜日は中電ホールで落語。
落語を聴くにはちょっと広過ぎるホールの
しかも、なんと一番後ろの端っこの席だったのですが・・・
パワフルな喬太郎さん、隅々までそのパワーは行きわたりましたので
全く問題ありませんでした。

複数の落語家さん出演の落語会で
1席だけ聴くと言うことは何度かチャンスがあったのですが
独演会ははじめてなので、たっぷり聴けるのが嬉しい。

まくらでは、必ず時事ネタに触れる志の輔師匠と違って
どうしても話が食べ物の方に行ってしまう師匠。
絶対この人B級グルメ大好きだよな~と思いつつ
絶妙の間と名古屋の名物に触れるサービス精神に脱帽。
助走から突っ走るパワフル師匠です。

そして本篇は
「竹の水仙」
宿屋に泊った文無しの客が
宿代の代わりにこしらえて置いて行った彫り物の水仙のつぼみが
まるで本物の様に花開き、通りがかった大名に買い上げられるという話。
彫り物の水仙が絵に描いた雀になったり、鼠になったりバリエーション豊かな古典です。

しかし喬太郎師匠にかかると、一部完全に新作になります(笑)
体格に似合わぬ鋭い身のこなしで、忍者が登場して手裏剣が飛び交うあたり
「寝床」でも見た様な場面、大爆笑です。
侍が突然今風の言葉遣いを連発して
「超むかつく~」「信じらんない」とたたみかける場面。
すでに笑い転げているのに、
相手の口調に「お前は柳家権太楼か!」(そっくりなんです!)
と自分で突っ込むに至っては涙が出るほど笑いました。

さすが喬太郎師匠。
持ち味を活かしきったアレンジで最高の新古典。
1席目でここまでやられると先が思いやられます(笑)



で中入り後の2席目も古典中の古典
「厩火事」
夫婦喧嘩の絶えないおかみさんが
亭主ははたして自分の身を案じてくれるのか?と
亭主の大切にしている皿を割って試す話。
1席目に登場の左甚五郎を登場させたり
随所で前座さんの話を引き合いに出したり
その日ならではのアドリブがピリッと効いて
全体をまとめる瞬発力はさすが!
そして爆笑ポイントは、皿を割るまでの動きの大げさぶり。
なんと皿回しまで登場して喬太郎モード全開でした。

欲をいえば・・・
1席目も2席目も同じくらいのボリュームの話?なので
まくらが短い分、あっけなく終わってしまった感があります。
師匠にしっとり泣かせる話は期待しませんが(笑)
2席目はもう少し長いといいな~

しかし、これだけやりたい放題やって破たんしないのは流石です!
ものすごい巧さ、技術を持った方なんだということが
改めて、よ~くわかりました。