北欧系インストバンド"Drakskip"のライヴを観に行った。
前回のライヴに行った友人から「ニッケルハルパ」という謎の楽器が使われている聞き、ちょっと気になったていたバンドです。

ニッケルハルパとはなんぞや?だが、
Wikipedia先生によると「スウェーデンの民族楽器の1つ。ニュッケルハルパとも。弓で演奏する擦弦楽器であるが、フレットの代わりに弦を押さえるタンジェントという小片をもつキーによって演奏する鍵盤楽器であるともいえる」
演奏されているところを実際に見ると、なんだかからくりを見てる時のようなワクワク感がある。
ヴィオラよりも大きく、ギターのように抱えて演奏されていた。弓で弾くのは四弦だが、共鳴弦が12本張ってあり、非常によく響く。
終演後、奏者の方とお話し、この楽器について色々と知ることができた。
14世紀から存在が確認されている古い楽器で、音域は3オクターブ程度。一度途絶えかけたが、1960年ごろから復活してきたとのこと。ヴァイオリンの弓使いとは異なり、地球の重力に逆らうことがなく楽だけど首が非常にこるとも。
私のアホな質問にも快く答えてくださったし、少し触らせてもらえた。
スイッチのような楔型のタンジェントを押さえ(弓で弾いて)音をだすので、私のようなド素人が初めて押さえても、ヴァイオリンを弾いたときのような殺人的な音が出ることはなかった。が、弓は奏者の方が動かしてくださっているのにプロの出す音とは雲泥の差。
当たり前だか、やはり楽器の演奏はなんであれ難しい。
バッハなどのクラシックや色々なジャンルの曲を弾いてくださったが、一番あってたのがボサノバ!
ニッケルハルパのキラキラとした音がボサノバの曲調ととてもよくマッチしていた。北欧の楽器が南米のリズムと合うなんてなんだか不思議。「ニッケルハルパで弾くボサノバ集」なんてCDがあったら買ってしまいそう。

このバンドはニッケルハルパorフィドル、五弦ヴィオラ、12弦ギター、パーカッションの4人編成。五弦のヴィオラも珍しいのでは?
共鳴弦のおかげ(!?)か、音響設備もない普通のアイリッシュパブで、しかもマイクを通ない生音での演奏にも関わらず、あたかもホールで弾いているかのように感じた。
壮大なスケール感!トラッドならではの疾走感も凄く、グイグイ引き込まれてしまう。どこか切なくなるような懐かしさも感じた。

一番面白かったのが、「小松菜の種」がパーカッションとして使われていたこと!
様々な種類の種を試して「小松菜の種がベスト」ということになったそうだ。しかも売ってある袋のまま叩いていた(わら)。

予定外にCDも購入。爽やかな今の時期にピッタリでヘビロテ中です。
お気に入りは5曲目の「見世物小屋は大忙し」。オモチャ箱をひっくり返したように楽しい。

彼はら只今全国ツアー中で、夏はスウェーデンに渡り武者修行するとのこと。また福岡でライヴがあれば行く価値は充分あるな。