【メモ】サラ金問題について1 | ぬうむ

【メモ】サラ金問題について1

初めに断っておきますが、わたし個人としては貸金業の存在自体を悪であるとは思っていません。もちろん、悪徳業者の存在は許せませんが、本来「借りたものは返す」義務があることを忘れずに、返済の条件・可能性や職場や公的機関などから借りることができないのかを十分に検討したうえで「借りてすぐ返す」のなら便利なものである、とさえ思っています。

本題。


【サラ金が問題とされる理由】


(1)高金利であること


貸金業の金利に関しては、「利息制限法」、「貸金業の規制等に関する法律(以下、「貸金業法」とする。)」そして「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(以下、「出資法」とする。)の3つに規制がある。


・「利息制限法」→元本10万円以上100万円未満の場合年1割8分、元本が100万円以上の場合年1割5分で、これを超えると超えた部分は無効となる。ただし、債務者が任意に超えた部分を支払った場合は、返還請求できない。(同法第1条)
・「貸金業法」→一定の貸し出し条件をクリアしていれば利息制限法で定められた利率を超過する利息でもいいとしている。
・「出資法」→年29.2%を超える利息の契約などに刑事罰を与えている。(同法第5条)


つまり、たとえば50万円を借りた場合、年29.2%を超える利息は違法となるが、年18%を超えても違法とならないケースがあるということ。この18%から29.2%(元本100万円以上の場合は、15%から29.2%)をグレーゾーンと呼んでいる。


※もし、50万円を年29.2%で借りていっさい返済をしなかったとすると、5年後には180万円になる。同じ条件で18%だとすると約114万円。ちなみに、某大手の銀行の場合、目的ごとにローンを種々そろえているが、「多目的ローン(自由プラン)」だと7.275%(かなり金利が高い方)。これで50万円を借りて5年間返さなかったとすると、約71万円になる。


(2)返済能力を超えて貸し付けること


大手の貸金業者はテレビコマーシャルなどで、「ご利用は計画的に」などと言っているが、実際に返済能力に疑問符がつくようなケースでもどんどん貸し付ける業者がある。高利だから当然多く貸し付ければ、貸し付けるほど利益が上がる、という単純な発想。業者にすれば、100件貸し付ければ10件くらい未収でも問題ない。貸せば貸すだけ儲かることになる。
また、無人のATMがあったり、完全自己申告制のインターネット上での60秒審査などは、消費者に自分の年収など考える余裕を与えず、異常なほど簡単に借りられるものを作っている。


(3)取立行為が厳しいこと

取立行為については、貸金業法第21条でわりと細かくやってはいけないことが記載されており、違反すると「監督上の処分(登録の取り消しなど)」ができ、程度を超えたものについては、刑事罰が与えられることになる。しかし、いわゆるヤミ金融レベルになると、こういった取立行為の抑止策なんてないのと同じ。ビラを張る、職場におし寄せる、深夜でも訪問・電話で請求するなどの違法行為を平気で行う。もちろん、直ちに警察に。


【返済できなくなったら】


いくらがんばって返済しても、もうどうにもならないという段階まできてしまった場合、借金=債務を整理しなければならない。方法はいくつかあるが、基本的には、今まで返済してきた金額を利息制限法で定められた金利に最初から計算しなおして、残りがあればそれについて再度計画する(残りの部分は、職場や銀行などの低利なところから借りる)、という考え。
直接業者との交渉が難しいということなら、以下の方法がある。


○裁判所で特定調停の申立てをすることができる
○弁護士に依頼する     (以上2つの方法を国=裁判所が関与しないことから「任意整理」という)
○破産宣告を受ける(弁護士との相談の上で)


とにかく業者の言うことをうのみにしないことが大切です。


次回は、破産宣告について解説します。