卵を食べすぎると、コレステロールが、高くなるからよくないのでは?
そもそも卵を食べるとコレステロールが上がるという迷信はどこからきたのか?
話は1913年にさかのぼります。
ロシアの病理学者ニコライ・アニチコアが、ウサギにコレステロールを与えたとこら、耳の血管に動脈硬化が起こったことから、コレステロールは悪いと言われるようになりました。
しかし、ウサギは草食動物です。
草食動物は、小腸からコレステロールをどんどん吸収し、動脈にコレステロールが付きやすいのです。
肉食動物はコレステロールを食べても、小腸で必要以上に吸収せず、足りない分をさらに肝臓が合成していることがわかっています。
人はもともと雑食ですから、小腸で吸収がコントロールされています。
食事からのコレステロールは1/3しか血液のコレステロールにならず、足りないコレステロールは肝臓で再合成され、毎日、人体に活かされています。この見事な調整能力を、生体恒常性(ホメオスタシス)といいます。
そして、
「コレステロールの高い人は頭がいい」と言われています。
なぜなら、コレステロールは脳の健康に欠かせない栄養素だからです。
人体は60兆個の細胞でできています。その全ての細胞膜の材料となるのも、コレステロール。
男性ホルモン、女性ホルモンをつくり、さらにストレスと戦ってくれるステロイドホルモンなどの材料にもなるため、コレステロールが高いほうが精神が安定し、頭の働きもよくなって、長生きするという報告が出ています。
大切なのは、善玉と悪玉のバランスです。
血液検査で
HDLが善玉
LDLが悪玉
LDLは、細胞膜やホルモンの材料であり血液の流れによって全身に運ばれます。あらゆる場所に滞りなく運ばれたあと、余ったコレステロールを肝臓に戻す、いわばお掃除コレステロールがHDLです。
コレステロール値のバランスは、
LDL値をHDL値で割って2以下であれば問題ないとされています。
コレステロールが危険と言われるようになったのは、LDLコレステロールが酸化しやすいためです。酸化コレステロールは体内でいろいろな悪さをしますから、酸化させないように、加熱、加工された食品などに含まれる劣化した油には注意が必要です。
酸化させない働きをしてくれるのが、ビタミンEです。
卵のコレステロールは、いわゆる善玉のコレステロールで、体内に入ると悪玉コレステロールを下げる働きもあると言われています。