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医師が警告する危険な思い込みとは
暑い季節になると、多くの人が熱中症対策に取り組んでいます。しかし、「良かれと思って」やっていることが、実は逆効果になっている可能性があることをご存知でしょうか。
今回は、医師が指摘する「熱中症対策で絶対にやってはいけない5つの間違い」について、詳しく解説していきます。これらを知ることで、あなたと家族の健康を守ることができるでしょう。
間違い1:解熱剤を飲んで体温を下げる
「熱中症で体温が上がったから解熱剤を飲もう」と考える人がいますが、これは非常に危険な行為です。
熱中症による発熱と風邪による発熱では、体温上昇のメカニズムが全く異なります。解熱剤は風邪の発熱には効果がありますが、熱中症には全く効果がありません。むしろ、腎臓に大きな負担をかけてしまい、症状を悪化させる可能性があります。
特に、熱中症の状態では体内の水分や電解質バランスが崩れているため、解熱剤の副作用が通常よりも出やすくなります。熱中症が疑われる場合は、自己判断で薬を服用せず、速やかに医療機関を受診することが重要です。
間違い2:冷却ジェルシートで体を冷やす
多くの人が熱中症対策として冷却ジェルシートを使用していますが、これも大きな誤解です。
冷却ジェルシートは確かに清涼感を与えてくれますが、実際には体温を下げる効果はほとんどありません。表面の温度を下げるだけで、深部体温の低下にはつながらないのです。
本当に体温を下げたい場合は、首筋、脇の下、太ももの付け根など、太い血管が皮膚表面に近い部位を氷や氷のうで冷やすことが効果的です。これらの部位を冷やすことで、冷たい血液が全身に循環し、体温を効率的に下げることができます。
間違い3:35度以上でのハンディファンの使用
便利なハンディファンも、使い方によっては危険な道具になってしまいます。
気温が35度以上、湿度が40%以上の環境では、ハンディファンを使用することで熱風を体に当てることになり、かえって体温を上昇させてしまう可能性があります。これは海外の研究でも指摘されている事実です。
汗を蒸発させる効果はありますが、極度に高温多湿な環境では、その効果よりも熱風による体温上昇の害の方が大きくなってしまうのです。
間違い4:塩タブレットだけを摂取する
熱中症対策として塩タブレットを持参する人は多いですが、塩タブレットだけを摂取するのは間違った対策です。
塩分は小腸で吸収されるため、水分と一緒に摂取しなければ意味がありません。医師によると、塩タブレット1個に対してコップ1杯程度の水分を同時に摂取することが重要です。
塩分だけを摂取すると、血液中の塩分濃度が急激に上昇し、かえって体調不良を引き起こす可能性があります。水分と塩分のバランスを考えた補給が必要です。
間違い5:一度に大量の水分を摂取する
「のどが渇いたから一気に水を飲もう」という行為も、実は熱中症対策としては不適切です。
一度に大量の水分を摂取すると、体が「十分に水分が補給された」と誤認してしまい、その後の水分摂取を抑制してしまいます。また、急激な水分摂取は血液中の塩分濃度を薄めてしまい、水中毒と呼ばれる状態を引き起こす可能性もあります。
正しい水分補給は、15~20分おきに200ml程度の水分をこまめに摂取することです。これにより、体内の水分バランスを適切に保つことができます。
正しい熱中症対策とは
これらの間違いを避け、正しい熱中症対策を行うことが重要です。
効果的な熱中症対策
- こまめな水分補給:15~20分おきに200ml程度の水分を摂取
- 適切な塩分補給:水分と一緒に塩分を摂取(スポーツドリンクが効果的)
- 太い血管の冷却:首筋、脇の下、太ももの付け根を氷で冷やす
- 適切な環境調整:エアコンや扇風機を活用し、直射日光を避ける
- 体調管理:十分な睡眠とバランスの良い食事で体力を維持
特に注意すべき人
以下の条件に当てはまる人は、特に注意が必要です:
- 高齢者や小さな子ども
- 慢性疾患を持つ人
- 薬を服用している人
- 睡眠不足や体調不良の人
- 朝食を抜いた人
緊急時の対応
熱中症が疑われる症状(めまい、吐き気、頭痛、体温上昇など)が現れた場合は、以下の対応を行いましょう:
- 涼しい場所に移動する
- 衣服を緩め、太い血管を冷やす
- 意識がはっきりしていれば、水分と塩分を補給する
- 症状が改善しない場合は、速やかに医療機関を受診する
まとめ
熱中症対策は正しい知識に基づいて行うことが何よりも重要です。良かれと思って行っていることが、実は危険な行為である可能性があります。
今回紹介した5つの間違いを避け、正しい熱中症対策を実践することで、暑い季節を安全に乗り切ることができるでしょう。
特に、解熱剤の使用や一度に大量の水分摂取など、一見理にかなっているように思える行為も、熱中症に対しては逆効果になることがあります。
これからの季節、自分だけでなく家族や周囲の人々の健康を守るためにも、正しい知識を身につけ、適切な対策を心がけましょう。体調に異変を感じた場合は、迷わず医療機関を受診することが大切です。
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