モノレールの穴川駅から徒歩10分くらい。住宅街の中に突如数軒の飲食店が集まるエリアがある。進来軒はその一角にある。いわゆる町の中華料理屋さん。薄暗い店内に入ると、ひとつ飛ばしの座席で満員だ。昼時ということもあるが、客足が途絶えない。この界隈では一定の需要があることがわかる。少し迷う素振りをしてからセットメニューのBを注文した。カウンターから厨房を眺めていると、店主が手際よく数人分のラーメンとチャーハンを作っている。しかも店主は結構な爺さんだ。

さて、大事なところをもったいぶりました。実はこちらの進来軒さん、1968年オープンなので50年続く超老舗。店主が高齢なわけである。一定の需要があるなどという書きっぷりをしたが、地元にはなくてはならない店である。さらに由緒正しき店だったりする。明治43年、日本初のラーメン店といわれる來々軒が浅草にオープンした。なんと、進来軒はその來々軒で修行された店主の店なのである。この辺の事情を知って訪問すると、お店の印象もだいぶ変わってくるかもしれません。

爺さんなんて言えなくなっちゃった。ありがたいことに、ラーメンは店主から直々に手渡ししていただく。このビジュアルだ。醤油が濃いなあ。This is ザ中華そば。レトロを狙ってナルトを入れているわけでなく、素でナルトが入っている。決して悪いという意味ではなく、ウズラの玉子が入っているのはちょっと意外だった。早速スープをすすると、見かけどおり醤油が強い。香りが立ち、角が立ち。ガラの出汁感そこそこに醤油が上回る。優しい口当たりではなく、ぜんぜん攻めてる。この攻撃力は食べ終わるまで継続したほど。麺は中細、ストレート麺。少し碱水(かんすい)臭いのがそれっぽくてよい。醤油のリードで、スルスル入る。黙々と食べていたら、チャーハンに手を付ける前に食べ終わってしまった。ラーメンのルーツに思いを馳せながら。いわゆる町中華のザ中華そばこそ、日本のラーメンのルーツなのだなと。

 




 

進来軒
043-251-0204
千葉県千葉市稲毛区天台5-6-5
https://tabelog.com/chiba/A1201/A120104/12002408/