どうも。
朝晩の空気が冷たくなってきましたね、孝樹です。
気が付くと晩の庭ではコオロギの鳴く声が大合唱。

うーん、風流……というより、うるさい。(・ε・)
田舎ではよくあることではなかろうか?

 


さて。
久々の気まぐれレポ、今回はパネル什器が進化するお話です。
ここでパネル什器とはなんぞ?の方に簡単に説明をしたいと思います。
孝樹のサークル「海青喫茶」では、主にしおり、一筆箋、絵本、小説を頒布しているのですが、それらを展示するにあたって什器(展示をするための建具)は必須です。
なんせ、しおりが約30種、便箋・一筆箋5種、そしてB5大の絵本に、A5版の本があるのですから。
これらを横90奥行40の机にいかに収まり良く展示するか?
ただ机に平らに並べていてはスペースはすぐに埋まってしまいますし、しおりに至って平らにおいていたら目につかない。
そこで立体的に展示するための什器の出番となります。
昔は100均の網ワイヤーや台所用網棚を利用していたのですが、かさばるし、重いし、種類が増えるにつれてキャリーの中身が圧迫されるしで、なんやかやしているうちになんとかできないかと模索する日を迎えました。

 

そうだ。什器、自作しよう。(゚∀゚)

 

しおりの展示に適した形で、軽く、コンパクトに収納できるものが作れないか。
そこで考えてみたのが、養生パネル(プラスチック段ボール)を使った自作什器です。
養生パネルでつくる什器だから、パネル什器。安直ですね。
しおり用のパネル什器作成についての解説は過去にブログにしているのでよかったらご参考を。

 


さてさて、そんなこんなでパネル什器を使っておりましたが、それでも種類が増えていってスペースが逼迫する事態に。
まあ、仕方がない。だって創りたいんだもん。(*ノω・*)テヘ
というわけで、従来のしおり用パネル什器に部品をジョイントして、一筆箋棚のパネル什器を作ることにしました。

このブログでは一筆箋棚を作る過程を備忘録としてまとめていきます。
毎度おなじみの文言ですが、あくまで備忘録としてまとめているので、howtoは語っていません
「こういう考えのもとで、こう作ったよ」的なことを書くにとどめているので、「それ、そもそもどうやんの?」的なところは割愛します。
まぁ例えば「養生パネルってどこで手に入れるのよ」とか「設計図ってどう作ってるのよ」とか「カッターってどう使うのよ」とか。
他のブログで語っているところもありますし、使うツールについては人それぞれで、それぞれに方法があると思います。
私の場合、設計図作成はイラレを使っていますが、それをワードを使用して作る方法もあると思いますし、エクセルを使用して作る方法もあると思いますし、もちろん手書きもありだと思うんですよ。
カッターでなくても、デザインナイフを使うだとか、ほんと色々で。
そのすべての方法に対して試していられないし、所詮はどうやったかを振り返るための自分に対しての備忘録であるというのが本音です。
もちろん個人的に質問が来ることに対しては答えられる範囲でなら答えられると思うので。
なので、備忘録ブログにおいてhowtoを語らない理由はそこであることをいっちょご理解いただきたい。

 

ではでは、パネル什器の進化は、果たしてどうなったのか。
ぼちぼち語っていきたいと思います。

 


パネル什器進化計画 ~一筆箋棚をがんばってつくってみたよ~

 


1.まずはコンセプトを決める。
前回のしおり用パネル什器を作るときにも触れていますが、コンセプトをまず固めます。
そんなに堅苦しく考えなくてもいいのですが、要は工作する過程において指針がブレてしまわないように、「何を優先して、何を諦めるか」を明確にしておきます。
そもそもなんで一筆箋棚を作ろうと思ったのか?
スペースが逼迫しているので一筆箋棚を作るわけですが、どのように作れば問題が解消されるかを考えます。

 

まず従来の状況は?
奥行40cmの机の場合、従来のしおり什器は奥行25cmのため、そのしおり什器の前に一筆箋を平らに置いていました。
一筆箋の大きさは約9cm×18cmの横向きです。
40-25=15cm……微妙に一筆箋を二行に置くことができません。9cm×2=18cmなのでね。
もちろん、座席側にしおり什器をずらして置くことは可能ですが、安全性を考えると、あまり座席側に引いて置きたくない。
ならば、立体的な什器を作ることで、奥行40cmの机に置けるようにしようじゃないか。
ということで、従来のしおり什器の下に、一筆箋用の什器を作ることを模索します。

 

今回一筆箋棚を作るにおいて、まず優先しているのは、しおり什器と同じく「軽く、コンパクトに収納できること」。
そして重要課題にしたのは「頒布物を安定的に置ける仕様にすること」でした。

 

しおり什器は、あくまで展示、見てもらうだけを目的にした作りになっており、実際に購入頂く場合は「○○のしおりをください」と指名してもらって、手元のストックから頒布物を提供する頒布方法をとっていました。
つまり、頒布物自身を乗せる棚の作りではないのです。

 

今回の一筆箋用の什器は、頒布物を乗せておく必要があります。
しかも実際に見本などを手に取って元に戻す行動も十分に考えられるので、何度手に取って戻す行動をしても簡単には崩れない仕様にする必要があります。
つまり「耐荷重と安定性」も外せない要因になります。

 

今回諦めた要因は「パーツが増える」「長期耐久性」です。
パーツが増えると言うことは、ある意味コンパクトに収納から離れてしまうのですが……少なくともキャリーケースの中には収まる仕様にはできるが、パーツが多くなる分、キャリーケースの中身が逼迫することは避けられないと感じたので。
そして長期耐久性……これは少なくとも雑な扱いをしない限りは一年以上は保つ設計にはしたいなと言う観点です。

 


2.設計図を考える
いざ一筆箋棚を作るとなった段階で、まず始めに浮かんだ草案は奥行のある雛壇でした。
業者さんが実際に作られている物で近いイメージが「段々段ボール」かな?
しおり什器と同じくらいの傾きを持たせて物を立てて展示し、奥行を持たせるので、見本と一緒に頒布品を置いておく、というのが最初のイメージでした。
しかし奥行のある雛壇を作ってしまうと、そもそもの目的である「奥行40cmの机に安全に置ける什器」でなくなってしまう。
そう、一筆箋棚を作るのに使える奥行は40-25=15cm。
二段の雛壇を作るとしてそれぞれに使える奥行は15/2=7.5cm
パネルの厚みと傾きによる奥行の差異諸々を除くと実際に頒布物を乗せられる幅は3cm位。
一筆箋10冊分の厚みが約3cm位。それに物を斜めに立てて置く以上、安定性の高い精度が求められる。
物を置いた途端、ズルベシャアッ!!て滑り落ちられたらかなわんからな。(;´Д`)ノ

 

ということで後発で思い付いたのが「見本誌一冊を展示方式にし、頒布品棚を別で備える」棚形式でした。
見本誌一冊のみを雛壇にのせて見本誌単独で見てもらい、いざ買うときは備え付けの棚より各自取ってもらう方式。
文字で書くとイメージがつかないね。
近いイメージは……うーん、100均の文具コーナーとか文具屋さんで見かけたディスプレイなのですが、店によって違うだろうから文字での説明がこれまたしにくいんだよな。
きっかけは、葉書やメモ帳など全体を見せる必要のない形式の決まった用紙を収納した棚でした。
頭5cm程見えていれば何が置かれているか分かるので、割と足元近くの下段に展示されていたんですよ。
目線が下になるからこそできる収納棚のつくりなんだなーと、ぼんやり思って眺めていたものです。
これを応用することで得られるメリットがある。
什器の後ろ側に生まれるデッドスペースを利用できること。
ただ、頒布物が頭5cmしか見えないのは困るので、別で見本誌を手にとって見てもらうための雛壇は必要か。
でも見本誌一冊分だけ置くだけの雛壇ならそれほど奥行を持たせなくてもいいか。

 

よし、それでいこう。(`・ω・´)シャキン

思い立ったが吉日で草案を書いていきます。

 

 

この時点で他人が見て「あー、なるほどね」とか言えたら正直すごいと思います。

改めて自分で見て思う。ほんとにただの殴り書きだなオイ(゜д゜;)

 

そして魂の荒ぶるままに清書します。
ぼんやりとした草案に数字を当てはめていきます。
もちろんここでも三平方の定理が大活躍です。
ピタゴラスさん、素敵な方程式をありがとう
そうして出来上がった清書がこちら(ノ´▽`)ノ

 

 

これみても「あー、なるほどねー」にならない不親切設計図orz

 

ちょっと脱線しますが……私は割と字書きでもそうなのですが、ちゃんとしたプロットを書くことができません。書くとしたら本稿でコピペするレベルの文章を書くか、一行で済ませるか、の両極端な書き方になります。
前者だと本稿を仕上げるときのスピードは速いだろうけど、プロットの仕上げがとても遅い。
後者だと確実に本稿の時に泣きを見ます。「ここで戦闘シーンスタート」の一行で済ませられて、過去の私を思いっきり殴りに行きたいと思ったことは数知れずorz
こう、適度なプロットって書けないんですよね。割とその場で思いついたことに脱線もしやすいです。だってそっちの方が最終面白い出来になることも多いし。
なので、設計図も最初の時点で100%きっちりなものにしていません。
「ここは絶対に狂わせない」の部分以外は、その場で決めつつ進めていくことも多いです。
廃材(過去の工作で出たきれっぱしとか、使わなくなったウレタンボードとか)を使うこともあるので、その場にある廃材の大きさに準拠して事を進めることもままあります。
なので工作する時は、鉄は熱いうちに打てのごとく、完成イメージが頭にあるうちに、工作をすると決めたその日に、最悪長くても一週間のうちに仕上げることを目標にしています。じゃないと何を作ろうとしているか、自分でもわからなくなっちゃうからね(;^_^A
話を戻します。

 

 

3.設計図をもとに素材をチョイス
今回は前回に作ったしおり什器の改良進化なので、問答無用で養生パネルを選択していますが、一応、考え方としては「コンセプトに沿った素材で、かつ、加工がしやすいもの」を選んでいます。
養生パネルを選んだ理由は「軽い、価格が安い、カッターやテープで簡単に工作できる」から。
他にも圧縮ウレタンや桐板、ソフトプラバンなどもあるかと思いますが、そこは好みで選んでいいかと。それぞれの素材の特性を研究するのもいいと思います。
それこそ、本格的な日曜大工ができる人なら木板を使った工作の方が養生パネル製の什器より丈夫なものを作れるかと思うので。

 


4.設計図をもとに切り出していく
養生パネルに設計図をベタっと貼って切り出します。

基本直線で、一枚板を切り出すように設計しているので、まっすぐ切ることさえできればOKだ!だって私、手先器用じゃないもん!!

 

 

 

ただ、ここで注意するのはパネルの目を意識すること。
床に立てた際、パネルの目が垂直になるものを縦目、水平になるのを横目とします。
画板などを立てる際、支柱に対してどの目にする方が負荷を分散させやすいか?
そして組立時に、変に力を掛けてしまってバキシッと折れないようにするにはどの目で切り出せばいいか?
私は縦支柱に対しては縦目の方が良いと思っています。
ななめに立てかけた画板を支える縦支柱。いわば床に対して垂直方向に負荷が生じるので、それに耐久出来るのは横目より縦目だろうな、と。
対して、画板や横支柱は長辺に対して水平な横目を選んでいます。
理由は組み立て作業をするとき、ふいに変な力をかけてバキシッとならないように。
……うーん、文章だとほんと説明しづらいなあ。

 

さて、今回一筆箋棚を作るにあたって、コの字型の外枠に棚板をスライドさせて入れる4段棚を採用しました。
最初市販の本棚のように外枠にビスをはめ込んで棚板を乗せるだけのものを考えていたのですが、解体することを考えると、使っていくうちにビスの穴が緩んでくることが考えられたのと、ビスだと点で棚板を支えることになるので負荷がビスに集中すればポロリと取れそうだな、と思ったのでスライドさせる溝を作ることに。
溝は別パーツを作って外枠に貼り合わせる二枚貼りにします。これなら外枠自身はビス穴などで傷つけることも無く、二枚貼りで頑丈になる、スライド溝は線状なので棚板を支える負荷にも耐えられるだろうという考えです。

 

 

4.パーツの組み立てを考える
実はここに起こしている設計図、冒頭でも言った通り、全てのパーツを網羅したものではありません。ここに起こしているのは縦支柱と棚の外枠、補助の縦支柱と見本誌用の画板……あと本件から少し外れるのですが、ポケット棚用の画板だけ。
当然他のパーツも必要になります。例えば、一筆箋棚の棚板とか、横支柱とか。

……冒頭でも言いましたが、廃材を積極的に使う傾向にあるので、「ここは絶対に狂わせない」数字でない限りは、その場にある利用可能な廃材で適当に作っています。
例えば、一筆箋棚の棚板は昔使っていた圧縮ウレタンパネルを使っています。選んだ理由は養生パネルで板を作るより頑丈で長持ちしそうだから。養生パネルは目に沿って力をかけるとバキシッとなる可能性があるので、木板の感覚に近い圧縮ウレタンの方がまだ耐久性もあるだろうと。
横支柱は目の方向を意識はするけれど基本切れっぱしを使います。長く工作してると結構出るんですよ、切れっぱし。

 

さて、パーツが揃ってくると全体的にどう組合わさっていくのか見るために簡易で全体を組み立てていきます。

 

 

 

やっとここで完成イメージがわかるかな?
ただここら辺から不測の事態も発生します。というかアテが外れた、というべきか。

 

例えば、一筆箋棚の棚板の奥にストッパーをつけなくちゃいけなくなったこと。
ストッパーがないと、下段になるにつれて奥の方に物が入り込んでしまうのです。
そこで、つまようじと小さな養生パネル板を使ってストッパーを差し込む形式を考えたのですが、一筆箋で何度かツンツンしているうちに差し込んでいるつまようじが緩んで外れる事態に。
むー、どうすりゃいいんだ。アテが外れて行き詰まる。
……そうだ。お風呂入ろう。ε-(o´ω`o)
や、大事ですよ、入浴は。血行が良くなってリラックスできるし、脳を休ませてあげてかつ血を巡らせれば情報が整理されてアイデアが浮かぶって言うじゃない?
そして、5mm幅わにぐちクリップで固定する方法を思いつき、ストッパーを完成させる。

 

 

次に、一筆箋見本誌を置く画板が思った以上にしっかり支えないと見本誌を取って戻すを繰り返していたらズルッと滑り落ちる対策にマジックテープで固定を発案するも、思った以上にかさばるのが分かり、別案を検討することに。アテが外れて行き詰まる。
……そうだ。ふて寝しよう。Zzz…(*´?`*)。o○
や、だから睡眠は大事ですよ!脳ミソは寝てる間に情報整理してると言うじゃないですか!
そんなこんなで、クリアファイルとメンディングテープでマジックテープもどきを製作、画板を固定させることに成功する。

 

 

 

 

割と現場で形になり始めてから分かる計算違いとかもあるので、よほど設計図の数字に確信を持たない限りはその場での方向変換に対応するべく恐る恐る作ってる感じです。

設計とはなんぞ……。(´д`lll)

 

細々とした補助具を作りつつ、完成したらこんな感じになりました。

 

 

 

頭で思い浮かべていたものからさほど脱線することなく、わりと想定通りにできた方だと思います。

什器のトータル重量は約620グラム、解体後の厚みはうまく収納すれば6センチ位に納めることができました。B4ファイルポケット2冊分で済んでます。
ただそれでもキャリーの容量半分を食うことになるので、さらなる省スペース収納が今後の課題になりそうです。
あと本棚もつくりたいからね……(*゚ー゚*)

 


工作備忘録は以上となります。
正直、なにいってんのか全然わかんねえよ!!なブログで申し訳ないです。(´□`。)
今までの備忘録でも言ってることですが、やり方は素材や人によってまちまちだし、今のこの方法よりいい方法を思い付いたらどんどんやり方を変えていきます。
なので「こう作りなさい」ではなく「こういうアイデアで作ってるよ」程度で流し読みして頂けたら幸いなのですm(_ _ )m
質問などあれば答えられる範囲であれば答えるので。イベントなどで見かけましたら聞いてくださるのでもokかと。
今使ってる什器を何とかできないかと思っている方へ、ちょっとしたヒントになれば幸いなのです。(o^-')b