岩崎高明 先生


大正10年(1921年)生まれ。
昭和16年(1941年)に陸軍士官学校(55期)を卒業後、第4飛行師団 独立飛行第52中隊に所属。

その後、百式司令部偵察機の機長として、昭和19年(1944年)10月の比島での捷一号作戦に参加されます。 

岩崎高明 先生のお話
2016年 95歳時インタビュー

機長と操縦士は違うんです。
「左に敵がいる」「上に行け」「下に行け」といった、具体的な指示を操縦士に出すのです。
もちろん私も操縦の訓練は受けましたが、機長は全体を見て判断しないといけない。
ですから、機長は陸士出身者が就いてました。
パイロットが少年航空兵で、機長は我々 士官学校出身者です。

それは敵も一緒で、向こうも一旦離陸したら戦闘が無ければ機長なんかわりあいと暇で、コーヒーでも飲んでゆっくりしてますよ。そんなものです(笑)

それから、私が乗っていた百偵は速いんです。
それは敵もわかっていて、百偵を見たら追いかけて来ないです。
追いつけないのがわかっているので。

無線を傍受してるから、友軍のも敵のも入って来るけど、敵の(無線の解読)は難しくない。

機の中で多少、(暗号の)解読が出来ますから、命令を受けて「どうする」「ああする」と。

私は、一刻も早く最前線に出して欲しかったんですよ…。
「何で自分だけ後方なんだ」と不満でした。
ところが上官が、なぜか私を最前線には出してくれなかったんですね…。

※②に続く