国益を損ねた真の戦犯(敗戦責任者達)は
海軍上層部
なぜなら、太平洋方面の担当は海軍だったから
(陸軍は対ソ戦に備えて中国大陸の担当)

そこで、理系の受験エリートの集まりである海軍上層部の作戦指導を見て下さい。 

実際の戦場を、海軍兵学校や海軍大学の教室で学んだ事の実験室だと思っていたのではないでしょうか。

彼ら海軍上層部の受験エリート達は、
武士道や兵法を忘れて「学校の勉強」の延長で作戦を指揮した

こんな奴らに指導された一般の兵隊さん達は、たまったものではありません。

これまで私は「海軍上層部の象徴」として山本五十六の責任ばかりを追求してきましたが、他にもたくさんいます。

いつも決定的な場面で大失態を犯すのは
海軍出身のお偉いさん達

話が時系列的に前後しますが、開戦の通告を遅れた駐米大使・野村吉三郎海軍大将がやらかした行為(不作為)…。 

彼による、ハル国務長官への通告の遅延は、日本全体に計り知れないほどの大損害を与えました。

「宣戦布告の通告をワシントン時間の12月7日の午後1時にアメリカ側に渡せ」という本省からの命令を勝手に1時間20分も遅らせた彼の行為は、ハッキリ言って「犯罪」です。
   
また、支那事変で井上成美海軍中将が指揮した重慶無差別爆撃『百一号作戦』は、「日本=ジェノサイド国家」の印象をアメリカに与えてしまいました。

 ※ちなみに陸軍は、
「『百一号作戦』と『百二号作戦』は国際法に反する非人道的な行為である」
として、参加を中止しました。

上記の海軍左派トリオの井上成美が全体を指揮して戦った昭和17年5月の珊瑚海海戦でも、無傷の空母瑞鶴が逃げる空母ヨークタウンにとどめを刺す前に、何と追い込んでいる日本側から退却するという命令を出しています。
 
続く10月の南太平洋海戦でも、傷ついた空母エンタープライズが退却に入った所、こちらは無傷の空母瑞鶴ともう一隻が健在だったのに、指揮している南雲と草鹿は退却に走ります。
 
敵将ハルゼーは、
「日本海軍は、勝ったと思ったら逃げていく」
と酷評している

これはどういう事でしょう。
つまり、官僚というのは点数製なのです。
何かヘマをすると点数が引かれて出世に響く。
だから部下の勇猛果敢にも関わらず、トップは消極的なのです。
「何か勇気を出してもう一歩踏み出すより、ここらで手を引こう」
というマインドが働くのです。

敵前逃亡罪を「反転」と、ごまかしてはいけない

レイテ沖海戦でのいわゆる「栗田 謎の反転」も同じ事です。

しかし酷なようですが、トップのその「怯懦」は責任追求されるべきです。
そのトップの命令一つで数千数万の将兵が死地に飛び込むのですから、当然です。

ちなみに米軍では「勝った戦い」でもトップは、時に軍法会議で査問されるそうです。
「本当はもっと戦果が拡大出来たのに、途中で逃げたのではないのか」という事が問われます。

しかし、身内同士でかばい合う自己保身的な官僚組織と化した日本海軍上層部は、身内の責任を追及するという自浄能力が働かなかったのです。

そしてその海軍上層部の官僚的自己愛と組織愛は、その代償として「日本全体の悲劇」に直結し、国益を大きく損ねるのです。
自分達は守られる代わりに。
そしてこれは、現代日本の構図と全く一緒です。