/お化粧のあと着付け/
トークばらのシルバー年配のお客さまSさんは、女性の和装着物のコレクションを持っておられます。そして(ご本人が着ることはなくて)女装者に和服を着せるのが趣味という奇特な方。
私も何度か着せていただきました。私自身は着物にそれほど興味がなかったから、Sさんがもしおられなかったら振袖や浴衣を着ることは一生なかったでしょうね。今になって本当に感謝しています。
Sさんから「桜の頃に京都で舞妓さんしませんか?」というお誘いをいただいたのは2000年2月。「え? 舞妓さん? 若い子でなくておばさんの私が?」。私は1955年生まれで、トシはその時44。尻込みしてたら、「舞妓さんするおばさんは多いよ」との殺し文句。
*****
/着付けが終わりました/
4月上旬のある日、Sさんと一緒に京阪電車で京都清水坂の喫茶店『想い出の古都きよみず』へ。お店の奥にお部屋があって、50代とおぼしき4人連れの女性がお化粧と着付けの順番を待っていました。容子姿のせいかもだけど、メイクさんが彼女たちの前で私に白い肌襦袢をポンとわたして、「服脱いでこれに着替えてね」
トラブルがあるといけないので、Sさんが事前に『男性OK』を確認されていて、私がホントの女性でないのはわかっているはずなのにね(^^)。ボディスーツだし、タックもきちんとしてるからまぁいいけど(笑)
*****
/かつらをととのえて/
/仕上がり/
お化粧に使う水おしろいや口紅、眉紅はほとんど絵具です。ニ幸荘の新橋芸者や元禄花魁の時も同じでしたけどね。
女性たちの着付けが終わったあと(私のお化粧が終わった頃に)メイクさんの許しをもらってSさんが部屋に入って来られました。彼女といろいろお化粧の話をしてるけど、知らない外国語を聞いてるみたいで、私にはちんぷんかんぷん。
2枚目の写真を見てくださいな。うなじの塗り方というか、塗り残し方が面白いでしょ? 下にとがった地肌の筋は『足』と言って、ふつうは2本、あらたまった日や席では3本にします(今日は2本)。江戸の芸者さんでも同じみたいね。
今回あれこれ勉強して、《Kさんとメイクさんのお話はこのことだったのね》。はじめて得心がいきました(^o^)。髪型の話は、出たかもしれないけど、なにも覚えてません(^^)
*****
/国際親善にひと役かも/
そのあと舞妓さんバッグ(お道具巾着)を持って、おこぼ(こっぽり=舞妓時代にしか履けない下駄)を履いて、桜咲く清水坂にご出勤。清水のあたりは舞妓姿の女性をよく見かけるけど、みんな私とおなじニセモノの舞妓さんだよ(^o^)
でも、国際親善にはしっかり役立ちました。外国からの観光の人たちにいろいろ話しかけられて(どれも英語でした)、一緒に写真を撮ったり、お話したりで、みんなニコニコ、というわけ。このシーンをSさんは撮ってくださらなかったようで、ちょっと残念。
*****
/お店からのおみやげ/
↑はラミネートパウチにした記念写真です。『想い出の古都きよみず』は7~8年前まではあったようだけど、今回、消息がわかりませんでした。でも、男性舞妓体験OKというお店は京都にたくさんあるようだから、トライしたい方はぜひ(^o^)
私、今になってますますそう思うけど、舞妓体験して面白かったし、本当によかったです。Sさんに心から感謝。
***** 清水坂 & 地図 *****