早いのもので、ティスティングセミナーは最終回になってしまいました。お盆前の日に開催されましたので、出席者は20名弱と、いつもの半分ぐらいでした。皆さん都合がつかないのでしょうね。

 

 さて、今回は白2本、赤2本、スパークリング2本という組み合わせ。しかも講師の野坂昭彦氏は、これを2本づつ出して、両者を比較するという進め方でした。

 

 

 結果的には、全て日本産のものでした。

 左側の2本は、北海道産。一番左は、浦臼町のピノ・ブラン。その隣は、余市町のケルナーでした。

1本目は、アロマティックな香りがしましたが、ミネラル感が強くスパイシーな味わいでした。迷ったときはシャルドネと言われていますので、シャルドネと予想しましたが、見事に外しました。

2本目もアロマティックではありますが、グリーンノート、白コショウ、コリアンダーシードなどの香りを感じました。白い花の香りも。こうなると、アルバリーニョ、グリューナ・フェルトリーナ、シルバネールなど冷涼地域の品種が思い浮かび、最終的にシルバネールと予想しましたが、結果は北海道を代表する品種のケルナーでした。このワインはしばらく置いておくと、マスカットフレーバーが強くなります、ミネラル感があってマスカットフレーバーだとケルナーと覚えればいいかもしれません。しかし、品種は別にしても日本産の白ワインはマスカットフレーバーのものが多いですね。

 

 真ん中の2本は赤ワイン。

 3本目は、大分県の安心院(あじむ と読みます)葡萄酒工房というところが作っています。まず凝縮感のある甘みのある香りがします。カシス、後からスミレのような花の香り。アルコール度数が低く、酸味と甘み、タンニンのバランスの良さを感じました。イメージ的には色が濃いのにタンニンが穏やかです。そうなると候補はたくさんあります。コルヴィーナ・ヴェロネーゼ、ガルガネカ、テンプラニーニョ、バルベーラなんかもありかも。最終的にメルローにしましたが、正解は山ぶどうの交配品種の小公子でした。一人だけ山ぶどうを予想した方がいましたが、お見事と言うしかありません。

4本目は、3本目と比べると、色は濃い目でタンニンもしっかり。スワリングするとスパイシー、鉄やブラックベリー。後から樽熟成からの樹脂の香りが立ち上ります。3本目よりタンニンは強くなっていますが、それでも滑らかな舌触りだったので、グルナッシュかCS+メルロー+CFの混醸と予想しましたが、結果はタナ+CSの混醸でした。生産者はココファーム。2014年です。

 

最後の2本はスパークリング。スパークリングのティスティングはあまりやったことがありません。講師は、外観と言っても、泡の大きさ、持続性などを評価して、瓶内二次発酵かメトドシャルマかを推測するなど、について考えてほしいとの事。

5本目は、微発泡で色も薄くフレッシュ感満点のものでした。アルコール度数も低めの軽やかなワインだと思いました。ブドウ品種で思い浮かんだのは、トレッビアーノでしたが、正解はシャルドネ100%のブランドブランでした。生産者は山ぶどうを使った赤を生産した安心院。ステンレスタンク発酵し、瓶内二次発酵ですから、そこまでは良かったようです。

 

6本目のワインは、色も濃くて如何にも長期熟成した雰囲気。泡立ちもしっかりしていて、持続性のある泡でした。リンゴやハチミツのような香りがして、口に含むとしっかりした酸味を感じます。色の濃さからニューワールド/チリ産のシャルドネと予想しましたが、結果はピノノワールを90%使ったブランドノワールでした。ブランドブランは酸味が際立ったすっきりした味わいになるのに対し、ブランドノワールはコクがあってしっかり目のワインに仕上がるようです。その辺は経験がありませんでしたので勉強になりました。生産者はココファーム。

 

ということで、今回は全く品種を当てることはできませんでしたが、ヴィンテージや、生産地などで当たっている部分もありましたので、今後の勉強に生かしていきたいと思っています。