出されるワインが、リースリングだけという珍しい試飲会に行ってきました。

11社ほどのインポーターさんがブースを出して、合計100種類以上のリースリングが出されていました。フランス、イタリア、オーストラリア、ニュージーランド、セルビア、アメリカなどの国から、様々な産地のリースリングが。スパークリングも。

 香りの開いているもの、閉じているもの。樽香のあるもの。辛口~甘口。まあこれだけのリースリングに接する機会は初めてです。

 手ごろな値段のものが多くて大体が3,000円以下。2010年物なんて言うのもありましたが、さすがに凝縮感満点の味わいでした。

 ペトロール香が典型的に出ているものもありましたが、ペトロールを感じるものは少なかったです。

 さすがにこれだけ味わうと、リースリングが分かりますね。

 どれもわたし好みの味わいで、益々リースリングが好きになった1日でした。

 

 

 

 

 ピノタージュは、サンソーとピノノワールの交配種で、南アで造られた品種です。サンソーは、ローヌの南部、ラングドック・ルーション、プロバンスなどフランス南部で栽培されている品種で、色が濃くてタンニンしっかりという品種ですね。ピノノワールはご存知の通り、明るいルージュで、軽めの味わい。一緒にするとどんなワインになるのでしょうか。

 

外観は、濃い目のガーネット。黒系果実の色合いです。輝きがあって粘性は強め。エッジは紫でフレッシュさが出ています。

 

香りは力強く、開いています。ブルーベリー、プルーン、カシスのフルーツの香りが強い。その後から、ナツメグ、ミント、ヒマラヤ杉などの樽熟を含めた、爽やかな感じの香りがしてきます。

 

口に含むと、酸味はしっかり、ストレートに縦に広がります。中盤にほんのり甘味、後半にはきめは細かいのですが、しっかりとしたタンニンが収斂性を感じさせます。

全体的には、外観からはボディの強さをイメージしますが、口に含むと力強さというより、軽やかでスマートな印象を受けます。

 

余韻は8秒ぐらい。外観はサンソー、味わいはピノノワールというワインでした。

1,000円チョットで買えますので、コスパは抜群にいいです。

 

 

今回紹介するワインは、

フィリップ・ラヴィエ・アビーム

ヴァンド・サヴォワ

ヴィンテージ:2016年

ブドウ品種:ジャケール

アルコール度数:11.5%

 ジュラ・サヴォワ地方は、生産量は少ないものの、シェリーに似たシャトーシャロンという珍しいワイン「ヴァン・ジョーヌ」を生産する地域として知られています。

 

 このジャケールという品種は、サヴォアの地ブドウともいえる品種で、他の産地ではあまり聞きません

 緑がかったライムイエロー。フレッシュ感満点の外観をしています。粘性は落ち着いていて、強い輝き清澄度も高いです。

 

 鼻を近づけると、青リンゴやグレープフルーツのような酸味を思わせるフルーツの香りがしますが、それ以上に火打石や石灰、白コショウなどのつーんとしたミネラル感を思わせる香りの方がより強く感じられます。

 

 口に含むと、酸味が縦にストレートに伸びてきます。中盤から後半にかけて強いミネラル感。辛口もここに極まれり、といった味わいです。

 

 ヴィネガーを使った良く冷やした野菜料理や、魚のマリネなどとの相性は抜群です。ソースを使ったひき肉料理と合わせても、口の中に残った油を洗い流してくれて、こちらとの相性も良いです。

 

 味わいは、アルザスのリースリングやオーストリアのグリューナー・フェルトリーナと似ています。ただ、フラワリーな華やかさという点では、やや落ち着いているかもしれません。

 

 

ブルーノパイヤールは、ランス郊外に設立されたメゾンで、創立は戦後ですから、シャンパーニュでは新しいメゾンです。

 このシャンパーニュはブランドブランです。瓶内二次発酵用に加える酵母を必要最低限としているために、普通のシャンパーニュと比べると圧力が低くなり、泡立ちは細やかです。その分、ブドウの個性が際立ってくるともいえます。

 

 外観は濃い目のイエローです。グレープフルーツ、白い花、アーモンドなどの香りがします。

 味わいは、外観から来るイメージとは異なり、爽やかですっきりした味わいです。そういう意味では意外性を感じます。一般的に普通のシャンパンと比べるとブランドブランは、すっきりとした味わいになりますが、正にその通りです。

 

 シャンパーニュは、10,000円ぐらい出さないと、良いワインに巡り合えないところがチョットつらいところですね。

 

 

 皆さんは日本人醸造家の仲田晃司さんをご存知ですか。ブルゴーニュのコートドニュイで日本人で初めて、ドメーヌを作ることを認められ、シャンベルタンを始め数多くのブルゴーニュのAOCワインを造られています。銘柄名はル・デュモンです。

 

 少し前にNHKで特集されていたのを見て興味を持ち、馴染みのワインショップで販売されていたので、購入しました。

 

 外観は明るい赤形果実のルビー色。紫がかっていてフレッシュさを感じさせます。粘性は控えめでサラッとした感じです。

 香りは、しっかりしたアタックをしていて、フルーツはラズベリーですが、樽熟成から来るスパイス系の香りのほうがより強く感じられます。

赤いバラ、ヴァニラ、トースト、シナモン、ナツメグ。熟成から来る紅茶、鉄っぽさなど、ブルゴーニュのピノノワールの典型的な造り方だと思います。

 口に含むと酸味がしっかり、エレガントで上品です。中盤からシルキーなタンニンが口の中を刺激し、余韻までワイン全体を引き締めます。フレッシュで果実感を感じさせながら、熟成から来る複雑さも備えていて、良いワインだと思います。

 

 2014年ヴィンテージでしたが、もう2~3年ぐらいおいてから飲んだほうが良かったかもしれません。

 

 

 

 ソムリエ協会第4回ティスティングセミナーの講師は、何と会長の田崎真也さんでした。

 しかし何故か欠席者が多く出席率は60~70%程度でした。

 部屋に入ってきて、前振りなしにいきなり参加者に、コメントをするように指示して、

何となく始まりました。さすがに田崎さん。ティスティングについて気を付ける点、やってはいけないコメント、

などなど立て板に水のごとく、言葉が走っていました。

 どんな品種のものが出たかについては協会のほうから秘密にしておくよう指示がありますので、言えませんが

写真の通り赤5本、白1本でした。

 ポルトガルのワインがたくさん出ました。これぐらい言っても多分当たらないと思います。

 やはり、副会長の石田さんや、技術研究部長の森さんとはまた一味違いました。

 大変勉強になったセミナーでした。

 

 

 

チリ産とワインというと、カベルネソーヴィニオンやソーヴィニオンブランが有名です。地ブドウとしては、カルメネールやパイスなど。

 ゲベルツトラミネールのワインが造られているのを初めて知りました。

 チリは、DOと呼ばれる地域をまとめた区分を原産地呼称として使っています。DOコキンボ、DOアコンカグア、DOセントラルヴァレー、DOスールが知られています。

今回紹介するワインは、

ピカール アヴィズ デル スール ゲベルツトラミネール

ヴィンテージ 2017年

アルコール度数 12.5%

DOセントラルヴァレー内のマウレヴァレー産のワインです。

 

外観は、クリスタルのような輝きをもったグリーンがかったライムイエロー。フレッシュ感満点の外観をしています。粘性は控えめ。清澄度は高いです。

鼻を近づけると、ライチやパイナップルのようなトロピカルフルーツの香り。白い花の香り。火打石や白コショウのようなミネラル感のある香りもします。

口に含むと酸味とミネラル感が口の中に広がります。アタックは強めで、フレッシュでフルーティな味わいです。後味に苦みが残ります。この苦みが。冷たくしたうどんの薬味の刻み葱やすりおろしたショウガとよく合います。野菜のてんぷらとの相性も抜群。つまり日本食とよく合うワインと言えるでしょう。

 

値段の安さで、日本への輸出量を増やしたチリワインは個性が強すぎてあまり好きではありませんでしたが、このようなエレガントなワインに出会うとうれしくなりますね。

 

 

 

 フランスではグルナッシュと呼ばれるブドウ品種。ラングドックルーションなどで広く栽培されている品種です。単体で使用されるよりも、ローヌのシャトー・ヌフ・デユ・パプのように、他の品種と混醸した使用される場合が多いようです。

 

 このグルナッシュ、実はスペイン原産でスペインではガルナッチャと呼ばれます。

 今回紹介するワインは、

オノロ ベガ ボデガス アスカ

アルコール度数 13.5%

ヴィンテージ 2015年

 若い男性の横顔をエチケットに使っています。

 

外観は濃い目のガーネット。尚、「ガルナッチャ」とは、スペイン語でガーネットの意味です。その名の通り、赤系果実の色です。グラスを斜めにすると、紫色をしていて、フレッシュさを感じさせますが、エッジは明るくなり始めています。輝きはありますが、清澄度は落ち着いています。

 

 香りのアタックはほどほどで、カシス、ブラックベリーといったフルーツの香りがします。甘草、ナツメグといったスパイスの香り。ヒマラヤ杉のような爽やかな香りも。

 

 口に含むとアタックはほどほど。酸味をあまり感じません。中盤から甘み、終盤にかけてやや収斂性を感じさせるタンニンが全体を引き締めます。後味に土っぽさが残ります。全体的には、口当たりがよく、飲みやすいワインと言えるでしょう。メルローを少しカベルネソーヴィニオンに振ったイメージでしょうか。

 糖度が高く凝縮感を備えたワインと言って良いかもしれません。

 これで価格は2,000円以下 。コスパの良いワインだと思います。

 

 

 

 カリニャンというブドウ品種は、スペイン原産で温暖な地域に適した品種です。従って、フランスのラングドックルーションやプロバンス、アメリカのカリフォルニアなどで歳出されるワインに使用されます。

 このワインはカリフォルニア産のワインです。

 

クライン エンシェント ワインズ

カリフォルニア コントラ コステ カウンティ

ヴィンテージ 2014年

アルコール度数 15.5%

カリニャン 100%

 

外観は、濃い目のガーネット。黒系果実の色合いです。エッジが明るくなり始めています。粘性は強め。輝きはありますが、清澄度は落ち着いています。

 

香りは開いていて、力強い香りが鼻腔を刺激します。発展中のワインです。スワリングすると、ブラックベリー、ブラックチェリーなどの黒系果実の香りがストレートに感じられます。樽熟成といってもア100%新樽のような強烈さはなく、部分的にフレンチオークを使用しているような感じですが、ヴァニラ、ナツメグ、カカオ、チョコレート、土っぽい腐葉土の香りもほんのり感じられます。動物的な香りも。

 

口に含むと、酸味はあまり感じずふくよかでまろやかな味わいです。アルコールのボリューム感からくる熱のような暑さ、タンニンは力強さを感じます。中盤から湖畔にかけて甘みを感じ、緻密なタンニンが全体を引き締めます。余韻は8秒ぐらい。

 ボリューム感の強いワインです。

 

 外観からはタンニンの強さを感じさせますが、味わいはふくよかでまろやか。ポテンシャルの高いワインだと思います。ただ、このワインをブラインドで出されたら、メルローに似ていて、その違いが多分わかりません。強いて違いを見出すとすれば、動物的な香りがあるところでしょうか。そうはいっても、ムールヴェードルまでの強さは感じません。最近、メルローを何本もティスティングをする機会がありましたが、その造り方は産地によってまちまち。カベルネっぽいのもあれば、やたら樽の強いものもあり、つくづくメルローの難しさを感じているところですので、メルローと言ってしまうかもしれません。それだけ飲みやすいワインだとも言えます。

 

 

 

皆さんは、仲田晃司さんをご存知ですか?

ブルゴーニュ/コート・ド・ニュイで活躍されている日本人醸造家です。最近はボーヌでもワインを造られています。先般NHKの番組で取り上げられていた方です。渡仏して幾星霜、今ではジュブレシャンベルタン、シャンボールミュジニーなどでワインを造られています。日本人で初めてブルゴーニュでドメーヌを設立された方です。

 

 さてこの仲田さん、友人クルティエと、ブルゴーニュ地区で名は知られていなくとも、コストパフォーマンスの良いワインを買いつけて、クルティエセレクションとして販売するようになりました。

 

 今回紹介するワインは、そんなワインの1つです。

オークセイデュレス プルミエクリュ ル・ヴァル

ヴィンテージ 2000年

ブドウ品種 シャルドネ

アルコール度数 13%

 

外観は輝き清澄度とも落ち着いていて、濃い目のイエロー。見るからに強い凝縮感を感じさせます。粘性は強めです。

 

グレープフルーツ、ピーチなどのフルーツの香り。それを追いかけるように、ヴァニラ、バターの香りがします。フレンチオークを思わせる樽の香りから、熟成を思わせる複雑な香りへ変化していきます。ミント、シナモンのような爽やかさを感じさせる香りも。

 

アタックはしっかり。穏やかで豊かな風味が前半から後半まで続きます。中盤から甘味を感じますが、余韻で収斂性を感じさせる酸味とミネラル感が全体を引き締めます。実にエレガント。豊かな味わいです。オールドヴィンテージでありながら、フルーツ感がしっかり残っていて熟成からの複雑みもあり、今まで飲んだシャルドネで一番印象的なもののように感じました。

 

また飲みたくなるワインです。