交際していた6年間、私たちは週末だけ会っていましたが、

仕事で会えない平日は必ずラインで話をしていました。


その時の会話は保存してありますが、今になって見返してみたところ、猛省しました。
夫のなんと誠実なこと。私のなんと嫉妬深く、しつこいこと。

交際中の夫が悪気なしに言ったことに対して、自分の不安から私は夫に質問攻撃しています💦
「今はさくらもちのことしか考えて(想って)いないよ」
などと夫は繰り返し言っているのですが、
私はまたそこで「今は」という箇所にこだわります。
過去には出会っていなかったのだから、「今は」は正しいのですが…。💦

まあ、出会って2,3年の頃は夫も先妻さんを亡くしてまだ4,5年の頃。
心のうちを打ち明けられるくらいに信頼する女性(私)と出会って、

ぽつぽつと自分のこれまでを語りたくなっていた時期なのかもしれません。


デートのディナータイムにはお酒が入ると、よく先妻さんの闘病の頃や最期のお別れの時のことを私に話しました。

めったにわがままを言わない方だったという先妻さんが、

最期の頃に夫が病院に見舞いに行った帰り際、

夫に「もう帰っちゃうの?」と言った一言に夫は感動したという話。

そんな先妻さんにとっては最もつらい時に発したに違いないその言葉さえ、

夫を通して知ると、夫にとっての特別な思い出として聞かされたと感じて、嫉妬した私です。

その頃女友達にこの話を打ち明けたものです、
「そのくらい言うよね?」
皆言いました。
「確かに、言うと思うわ…
でも、感動した、って聞かされたらつらいよねえ」


友達に共感してもらい、気持ちを落ち着けていた私です。



夫は夫婦の情愛にひたりたかったのと同時に、

私に自分のこれまでのことを話したくなったのだと思います。


でも、そんないい話、私に言うな〜!

 

そうそう、そしてその時夫に、

「どうして私にその話を?」

と聞いた私です。

夫は、自分もためらったのだが、身近な人間の死に対しての話になった時だったので、

つい話してしまった、と言っていました。

 

ちなみにこういう話は男性は男同士でなかなかしないそうなのです。

ましてや我が子にも言わないし、親にも言わないそうです。
だから死別後に知り合った交際相手にするということになるのですね。


でも今、もう出会って8年、先妻さんも亡くなって10年。
夫という人がどんなに信頼できる人間か、いいかげんに分かってきています。
そして、先妻さんも女性として夫にとても大事にされてきたこと、

だからこそ私のことも大事にしてくれるんだってことが、理屈ではなく分かってきています。

いずれにせよ、こんな優しい夫に嫌われないよう、

結婚した今も、夫に話す時は、自分がしつこいんだ、ということを、

折に触れて思い出し、暴走しない様にしたい…と思っています。

(ここには書かせていただきましょう)

ちなみに、最期の時、夫が先妻さんの手を握っても握り返さなかったのに、

息子さんたちが握ったら握り返した、という話も夫から最初の頃、聞きました。

私は、夫がちょっと気が利かなかったり、強情だったりした時など、このことをひそかに思い出し、
ああ先妻さんも、私と同じように、夫に対しては、幾度となく、「もうまったく!!(怒)」
と思ったに違いないね。間違いなく。

…と自分に都合のよい解釈ではありますが、同じ妻として、先輩である先妻さんに共感する材料とさせてもらっているのです。

そして、夫に見えないように先妻さんのお位牌の前に行って、手を合わせ、

「ああ!もうっ!(夫のこと、私たちのことを)どうか!!(お見守りください)」
と頭を下げたりします。


お読み頂きありがとうございます。