こんにちは。横山社会保険労務士事務所の横山 勝です。
あなたの職場にもいませんか?
悪気はないんだけど、なぜか周りをザワつかせてしまう「小さな困ったさん」。
たとえば…
-
締め切りをいつもギリギリで守る人
-
頼まれごとを「はい、やります!」と元気よく引き受けるのに、なぜか放置してしまう人
-
他の人が使った備品にいちいちコメントをつけてくる人
彼らの言動は、大きなトラブルにはならないものの、じわじわと周りのストレスになっていきます。
「なんであの人、いつもこうなんだろう?」と不思議に思ったことがある人もいるのではないでしょうか。
今回は、この“小さな困ったさん”たちの正体を読み解いていきましょう。
“困ったさん”の言動の背景にあるもの
実は、彼らの行動の背景には、さまざまな心理や状況が隠れていることが多いです。
1. 承認欲求が満たされていない
「備品にいちいちコメントをつける人」は、「自分は職場のことをよく見ている、気配りができる人間だ」とアピールしたいのかもしれません。
これは、自己肯定感が低いことの表れでもあります。
他者からの承認を求めているため、些細なことでも自分の存在価値を示そうとしてしまうのです。
また、周囲からの「見て見ぬふり」や無関心が続くと、さらに行動がエスカレートしてしまうこともあります。
2. 自分のキャパシティを把握できていない
「頼まれごとを放置する人」は、相手の期待に応えたい気持ちが強すぎるか、自分の能力や時間的な制約を客観的に評価できていない可能性があります。
「ノー」と言うのが苦手な「いい人」に多いタイプで、すべてを引き受けてしまう結果、タスクが山積みになり、結局何も手につかなくなってしまうのです。
この行動の裏には、「どうせ私にはできない」という無力感が隠れていることもあります。
3. ルールやマニュアルへの依存
「締め切りをギリギリで守る人」は、完璧主義だったり、マニュアルに書かれていない行動が苦手だったりするのかもしれません。
彼らは、手順を完全に踏まなければならないという強迫観念にとらわれていることが多く、イレギュラーな事態への対応が苦手です。
マニュアル通りに動こうとするあまり、柔軟な対応ができず、かえって効率を下げてしまうことがあります。
“困ったさん”への処方箋
では、こうした「小さな困ったさん」とどう付き合っていけばいいのでしょうか?
1. 相手の行動を責めるのではなく、状況を客観的に伝える
「なんでいつもこうなの?」と感情的に責めても、事態は悪化するだけです。
「このままだと、次の業務に影響が出てしまうから、〇〇までに終わらせてくれると助かるな」のように、事実と期待する行動を具体的に伝えることが効果的です。
2. 承認欲求には「ありがとう」で応える
もし相手が承認欲求からくる行動をしているとわかったら、「ありがとう、気づいてくれて助かるよ」と、シンプルに感謝の気持ちを伝えるだけでも、相手の心は満たされます。
不必要な「いいね」のコメントが減るかもしれません。
3. チームでサポートする体制をつくる
特定の誰かではなく、チーム全体で「困ったさん」の業務をサポートする体制を整えることも大切です。
特にタスクの進捗をチームで共有する仕組みがあれば、締め切りが遅れる前に周りがフォローしやすくなります。
「報・連・相(報告・連絡・相談)」がしやすい雰囲気をつくることが、何よりも重要です。
まとめ
「小さな困ったさん」は、実は職場のコミュニケーション不足や、個人に過度な負担がかかっているサインでもあります。
彼らを一方的に「困った人」と決めつけるのではなく、その背景にあるものに目を向けることで、より良い職場環境をつくるきっかけになるはずです。
彼らの言動が、職場の課題を教えてくれているのかもしれません。
あなたの職場にもいる「小さな困ったさん」、ぜひこの視点で見てみてください。