昨日、このたびの離党問題について本部から報告がありましたので、そのまま掲載致します。
今後とものご支援をお願い申し上げます。

【みんなの党所属国会議員の離党を受けて】 2013.12.13

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┃１┃渡辺喜美代表より
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　臨時国会が終了した翌日の12月9日に14名の所属国会議員が離党届を提出しました。そのうち13名がみんなの党の比例票で当選した議員で、みんなの党をご支援して下さった皆様に、大変申し訳なく心からお詫びを申し上げます。
　残ったメンバーは、衆議院9名、参議院12名の計21名です。一致結束して公約した政策をテコの原理で実現してまいる所存です。テコはひび割れがあると折れますが、残った勢力はスリムで筋肉質になり、テコはより強固になりました。

みんなの党は有権者にお約束した政策の実現をするのが本分であります。政界再編は手段です。政界再編が自己目的化してはいけません。みんなの党は切り貼り新党方式ではなく、お互い飲めない政策は棚上げして連立を組む政党ブロックを党議決定しています。この方針は今後も貫いてまいります。

　みんなの党は、あらかじめ誰と組むかは特定しません。野党再編というと、あらかじめ相手が維新、民主しかなくなります。これでは政策の実現は覚束ないし、争点ごとに組む相手を主体的に選ぶ、クロス連合構想を今後も実践してまいります。

　以下は、離党した14名が離党理由として挙げている内容について、事実誤認である部分について見解をお伝えさせて頂きます。

●特定秘密保護法では、みんなの党がブレたという指摘がありますが、それは当たりません。みんなの党は日本版NSCや政府の情報管理、インテリジェンス機能の強化、情報漏えいの防止など、アジェンダに掲げて選挙を戦いました。政府案は不十分であったので、党の政策調査会でボトムアップの議論で修正しました。それを私が11月14日、安倍総理に直接手渡し、翌日から修正協議が始まり、政府自民党が大半を飲み込んだため、衆議院では賛成しました。しかし、参議院では政府から新たな内閣の情報監査機関、国会のチェック機関等、我々の修正案に応じた提案がありましたが、十分な審議がされなかったために、私は党首討論で国会の延長を求めましたが受け入れられず、それでみんなの党は審議不十分で、退席をしたわけです。衆議院46時間、参議院は半分以下の22時間の審議では当然のことです。

●上記対応は自民党へのすり寄りである、といったことも離党理由にあげられていますが、不可解な理由です。私が安倍総理と会う機会に修正申し入れをしたのは、みんなの党の政策を実現する立場からは当たり前のことです。また、自公政権から提出された法案への賛否を見て頂ければ一目瞭然です。みんなの党は反対8、民主、維新は2です。さらに内閣不　　　信任案に対し、みんなの党は賛成（内閣を不信任）、維新は反対（内閣を信任）という結果です。あくまでも政策ごとに是々非々で対応しています。

●その他、参院選後に指摘が出た党改革のポイントについても、すべて党内で議論し、スピーディに改革を実行に移しております（財務プロセス、公認プロセス、倫理規約、地方組織強化、代表選）。

●トップダウンで独断専行で物事を決めている、というご指摘も当たりません。政策は政策調査会によりボトムアップで検討をしています。特定秘密保護法の修正案を決めた党の会議では、離党組が何人もいましたが、誰一人反対する者はいませんでした。検討の場は、秘書を含め全員参加できる場です。そこで揉まれた内容が役員会へ上げられるという承認プロセスです。政策以外についても、各種重要事項は役員会に諮られ承認を得てから実行に移されます。

●「自民党渡辺派を目指す」、と私が言ったという某議員の発言は妄想です。離党した某議員だけでなく、その場に同席していた他の議員も私がそんな言葉を使っていないと証言しています。事実無根である上、党のイメージを著しく損ねる内容であり、今後の対応を検討してまいります。

●今回離党届を出した14名中13名は比例選出議員であります。昨年3名が離党した際に、江田議員が当時幹事長、小野議員が当時倫理委員長（両者とも今回離党）であったときに、議席の返還を求めています。それにより、今回離党された真山議員、藤巻議員は繰り上げ当選されました。
　江田議員（当時幹事長）の定例会見の模様が党ホームページにございますのでご紹介します。今回もブレない、賢明なご決断を期待致します。
　　　URL：http://www.your-party.jp/activity/press/001544/

　内容抜粋：
　「懸案でございました三人の参議院議員からの離党届の扱いにつきまして倫理委員会の意見も踏まえて役員会で検討いたしました。結論を申し上げますと、・・・三名に対しまして、みんなの党として議員辞職勧告をするという決定を致しました。理由は申すまでもございません。全国比例選出議員が、任期半ばを迎える前に離党し、その議席をもって新たに結党される政党の議席とする行為はわが党支持者は言うまでもなく社会一般の倫理観からは容認できないということでございましてこの三人につきましては議員辞職勧告をするということでございます。」

　みんなの党の結党の原点は、当たり前の自由社会と一人前の国家を目指すことであり、この原点は全く失われておりません。江田議員は特定秘密保護法そのものには反対しないと言いながら、同法の修正を求め、みんなの党案を大半飲み込んだ修正案に賛成することが結党の原点に背くというのは、論理矛盾も甚だしいと言わざるを得ません。

今回の騒動のきっかけに、党再生のためのいろいろな提案が党内から湧き上がってきました。党の根本指針である党綱領を作ること。これは私自身が原　案を作り、討議に付したいと思います。また選挙公約のアジェンダは、項目　が多すぎるのでもっと簡素な「プリンシプル」を作ること。これも決めました。

女性局はより頻繁に会合を開き、青年局は東北の被災地を月1回必ず訪問すること、等々です。みんな前向きに党再生に取り組み始めたことをご報告申し上げます。「雨降って地固まる」。地方組織の強化、ならびに、党幹部が各地域をより頻繁に回らせて頂き、議論を深める所存です。そして思想と哲学を共有し、より強くなったテコで、政治を動かしてまいります。一致団結して政策の実現に邁進してまいります。どうぞ宜しくお願い致します。

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┃２┃政策ウォッチング　－政策工房会長　高橋洋一氏より寄稿－
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　【みんなの党分裂】

　みんなの党が分裂した。江田氏が、きっかけになったのは、11月14日に渡辺代表が安倍首相と会食したことと会見でいった。特定秘密保護法案で合意ありきだったと。

筆者はその会食の場にいた。その会合は、第一次安倍政権の時の政治家、安倍首相、菅官房長官（当時総務相）、塩崎氏（当時官房長官）、渡辺代表（当時行革相）がその後定期的に行っている会合だ。渡辺代表が、飯を食う前にと、「みんなの党は参院選のアジェンダに特定秘密保護法を入れているので修正協議したい」と紙を出した。これに対して安倍首相が、「では明日からそれぞれの担当者間で開始しよう」と答えて、終わりだ。

　事実はこれだけだ。みんなの党がアジェンダに入れている以上、修正協議を申し入れないと、丸呑みで了解と受け取られるから申し入れたというくらいしか、筆者は考えていなかった。
　修正協議の申し入れが終わると、すぐに他のたわいもない話になった。特定秘密保護法の話はその後、まったくない。翌日、自公とみんなの党で修正協議が始まったという報道を聞いて、ああそうかと思っただけだ。

　これがみんなの党分裂のきっかけといわれると、驚いてしまう。当たり前であるアジェンダ通りの行動でも、その背後を考えると、ちょっと思い当たる　節もある。

　これまでのみんなの党の政策では、経済成長、規制緩和、脱官僚、地域主権、行政改革などでは、十分に意見のすりあわせが行われ、玄人受けする政策が出されてきた。国会での賛否等の政治活動も公約と整合的だった。

　ただし、政策の中で、外交・防衛があまり書かれていない。特に集団的自衛権への態度は明らかになっていない。いうまでもなく、集団的自衛権は、価　値観により大きく意見が分かれる論点だ。従来の政府見解は、集団的自衛権は「保有しているが行使はできない」という立場だ。渡辺代表は見直しに積極的、江田氏は消極的と両者で見解が一致していなかったのだろう。

　集団的自衛権の行使を容認する立場からみれば、軍事でも協力関係にある同盟国並の特定秘密保護法も当然になる。容認しない立場なら、集団的自衛権につながる特定秘密保護法はない方がいいとなる。

　いずれにしても、アジェンダに書いている特定秘密保護法が分裂のきっかけとは、有権者には理解しにくいことだ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上