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先月の予算特別委員会の会議録のうち、私の質問を一部抜粋したものを掲載いたします。


2015年3月11日の教育です。


○横山委員 私は、349ページの品川区研究学校、353ページのイングリッシュキャンプ実
施、355ページのしながわドリームジョブ、そして363ページの学校環境整備事業についての確認
をさせていただきます。
まず1点目に、先ほど吉田委員から質問がありましたが、イングリッシュキャンプの実施につい
て、23区初のイングリッシュキャンプの実施ということで、大きなインパクトを与える事業かと思い
ます。ブリティッシュヒルズでのキャンプの詳細とグローバル人材育成塾受講希望者への周知方法、そ
して時期を教えてください。

○渋谷指導課長 平成27年度のグローバル人材育成塾の説明会に合わせて、このイングリッシュ
キャンプの説明も行う予定でございます。今のところ、4月の第3土曜日に説明会を実施する予定でご
ざいます。
周知につきましては、全中学校に開催通知等々のご案内を差し上げて、保護者のほうに配っていただ
くようになっております。
イングリッシュキャンプの概要でございますが、2泊3日を予定しておりまして、申し込みをする子
どももさまざまなレベルの子どもがいることを想定して、まず初級者向きに異文化の体験をするような、
体験を重視した英会話レッスンをするコースと、また実際に留学だったり海外生活を経験するというこ
とを目標にしているような、さらなる英語力の向上を目指すような子どもたちを受け入れるような二つ
のコースを用意して、2泊3日のプログラムを考えているところでございます。

○横山委員 こちらは本当に先ほど申し上げましたけれども、23区初ということで、またこのブリ
ティッシュヒルズを私も数年前からずっと注目しているのですけれども、こちらの設備はすごくすばら
しいものがございます。周知方法は用紙でご案内をということだったのですけれども、例えばカラーの
写真でブリティッシュヒルズのものを使っていただいたりとか、視覚的なところでも中学生の英語教育
の促進につながるように工夫をお願いしたいと思います。
2点目なのですけれども、学校環境整備事業についてお伺いいたします。荏原第六中学校の用地購入
の背景と目的に関して、また契約の方法、契約予定価格、工期を含めた外構改修の経緯と詳細をご説明
ください。また、工事期間の授業、部活動など、生徒、保護者、近隣の地域の方々などへの影響と対策
についてもあわせて教えてください。

○品川庶務課長 荏原第六中学校の学校用地の取得に関してですけれども、こちらは隣地の方が用地
を売りたいということで取得をしたものでございます。取得の金額でございますが、約2億3,000
万円となってございます。それから、工期につきましては、大体7月から工事を始めまして、完了は1
月末となっております。
近隣関係の周知に関しましては、これから説明会を行っていく予定でございます。

○横山委員 すみません、ちょっと今、私の質問がちょっと早かったのでもう一度申し上げます。近
隣の方への影響と対策について、こちらを教えてください。

○品川庶務課長 近隣への影響でございますけれども、土地の高低差が多少ありますので、擁壁工事
等、そういう部分で振動等が発生する可能性が若干あるということでございます。

○横山委員 それでは、高低差のために擁壁工事によって振動が発生する旨、住民の方ですとか、保
護者・生徒の方に説明をしていただくということでよろしいでしょうか。
次、3点目なのですけれども、品川区研究学校についてお伺いいたします。通塾率の高い小学校にお
いて、学力の二極化、児童の学力差の課題がございます。さまざまな状況にある児童に対して、その授
業内で深く考えるためのスタートラインをそろえ、どの児童にも伸びる機会を提供しようとする授業と
して、教えて考えさせる授業がありますが、2月に行われた平成26年、平成27年度品川区教育委員
会教育研究校、東京大学大学院教育学研究科教授、市川伸一研究所との共同研究の、「自立した学習者の育成、学習のつまずきから考える指導の工夫」の中間研究報告会の概要を簡単で結構ですので、ご説
明ください。

○渋谷指導課長 今、委員がご説明いただいたのは、第二延山小学校が研究学校として1年次の中間
発表を行ったものでございます。第二延山小学校、子どもの学力の二極化ということで、校長先生は悩
まれていて、文部科学省で同じ委員をされているということで、市川先生の知己を得て、ご協力をいた
だいてこの研究を始めたというふうに聞いております。
研究の中身でございますが、基本的に教えるべきことをしっかり教えて、それをベースに考えさせる
授業の授業研究を1年次は一生懸命やられた。特に算数等々を中心にしながら、45分間の授業の中で
しっかり教える部分、それから考えさせる部分をどうするのかという組み立てをして、1年生から6年
生までの提案授業実践の発表と、それから実際に子どもがつまずくところはどういうところなのかとい
うところを系統的に分析されて、その子どもたちに対して個別の学習相談というものを市川研究室の方
に行っていただいた、そういった事例研究もあわせて行ったというふうに聞いております。

○横山委員 品川区の児童・生徒の学力向上をぜひ積極的に進めていただきたいと思います。私も報
告会に出席させていただきましたが、先生方がお持ちの専門的な知識、ちょっと視点というものはない
のですけれども、多くの気付きを得られました。わからない部分にはノートにクエスチョンマークをつ
けたり、解き方のポイントや教訓を書く、授業後の自己評価をときどき見直すなどの話がありました。
研究授業以外の通常の授業でも、授業の感想を書くというような場面があるかと思いますが、その感想
の見直す機会というか、そういった時間はなかなか少ないのではないかと思います。例えば、予習、復
習の宿題などで、単元の終了時やテストの前に振り返り、ノートの見直しを習慣化するような学習法を
指導することによって、児童みずからが学習のつまずきを確認、改善する機会を得ることができると考
えます。
また、保護者の児童とのかかわりと学習観に関して、子育て中の区民の方のご意見を一部ご紹介しま
す。その方は、ご自身のお子さんは通塾しておりますが、自分の子どものように他人の子どもを褒めた
り指導したり、面倒をよく見てくださる方です。児童全体の学力の向上によって先生方のモチベーショ
ンが向上し、そしてよりよい指導をしてくださる。先生方がよりよい指導をしてくださると、自分の子
どもの向上にもつながっていく、そんなお考えをお聞きして、私はまさにそのとおりだと思いました。
品川区の児童・生徒のつまずきを解消し、一人ひとりの学力の向上によって、全体の学力を上げてい
くこと、そして全体の学力が上がっていくことがさらなる一人ひとりの学力向上につながるということ、
こうした点を保護者や地域の方々にもご理解をいただきながら、学校、家庭、地域全体で品川区の児
童・生徒の学力向上のための研究活動に取り組んでいただきたいと考えますが、家庭や地域への理解促進、意識の醸成について、お聞かせください。
また、授業の改善、教員の指導方法、児童の学習法と学習観の変容など、実施校の意見、そして報告
会で他校の教員等によるアンケートの実施をしていたかと思うのですけれども、そちらの結果がもしあ
りましたら、1年目の成果を教育委員会としてどのように捉え、区全体の学力向上に活かしていくお考
えなのか、そして来年度、2年目の研究内容と課題についてもお伺いいたします。


○渋谷指導課長 1年目の研究の成果については、品川区の各学校から教員が必ず参加して、各学校
に持ち帰って伝達研修をするという形で多くの学校で還元をしているところでございます。特に家庭
等々の家庭学習のあり方等につきましては、PTA等を通してこの研究成果を広く寄与させていただき
たいというふうに思っているところでございます。1年目の成果としては、実際、教師の指導方法の改
善に大きく寄与したというところが報告されているところであります。
また、他校の教員からの感想におきましては、基本的には目新しいことではないのだけれども、市川
先生のお話等々できちんと価値づけされたことによって、自分の授業実践をしっかり見直す契機になっ
た等々の前向きな意見が多く寄せられているところでございます。
また、2年次につきましては、こういった具体的な個別学習相談等々をどのように活かしていくのか、
また今は院生の指導をもとにやっていますが、そういった認知心理学の知見を先生方がどのように身に
つけて授業実践に活かしていくか等々の具体的な方法について、2年次の発表で広く区内の学校に周知
をさせていく、そんなふうに聞いているところでございます。
また、家庭や地域への理解と促進ということでございますが、先ほども申し上げたとおり、PTA
等々にも家庭学習のあり方、どのような声かけがいいのか、見守り方がいいのか等について、ぜひ提案
をしていただきたいと考えているところでございます。


○横山委員 こちらの取組みはすごく私も注目しておりまして、2年目も大変期待しておりますので、
ぜひ学校だけにとどまらず、品川区全体に周知をして活かしていただけたらと思います。
4点目なのですけれども、しながわドリームジョブについて、若手職員からの発案ということでお聞
きしました。夢に向かって粘り強く前進し、失敗しても諦めずに課題を解決できる、子どもを育てるた
めに、夢を考える体験型授業の導入はすばらしい取組みだと思います。ベネッセ教育研究開発センター
の調査で、将来の夢の有無およびその実現に向けて努力をしているかどうかというところは、生きる力
の自己評価だけではなく、学習意欲とも関係が深く、将来の夢がある子どもは、そうでない子どもより
も国語や算数の宿題があれば必ずするという項目や、疑問に思ったこと、興味のあることを自分でよく
調べるという項目で肯定する割合が高いことがわかっています。
なお、将来の夢はあるが、実現の努力をしていない子どもと夢もなく努力もしていない子どもの間の
差はほとんどありませんでした。児童・生徒に将来の夢を育むと同時に、その夢の実現に向けて努力を
する状態に導くということは、子どもたちの生きる力を育て、学習意欲を高めますから、自己理解の進
化やロールモデルの発見の支援をぜひ推進していただきたいです。
そこでお伺いいたします。将来の夢を持ち、かつその実現に向けて具体的に努力をする児童・生徒を
育てるために、どのような指導、そして支援が必要でしょうか。しながわドリームジョブの詳細な内容
に合わせて、品川区のお考えをお聞かせください。


○渋谷指導課長 今委員ご指摘のとおり、子どもたちが将来の夢を持って、その夢の実現に向かって
努力をしていくことが学習等々に関する大きな意欲につながっていくのだというふうに考えているとこ
ろでございます。
まず、本区については、将来の夢を持たせる、そういったキャリア教育については市民科の中で将来
設計領域というところで9年間系統的に指導しているところでございます。既にご案内のとおり小学
校5年生ではスチューデント・シティ、1年生ではCAP、8年生でファイナンスパークというように、
社会の仕組みや経済のことを知るということがまず大きな流れの中であります。
そういう流れとともに、中学校では一部、しながわ寺子屋等々、いろいろな職業の実際のお話を聞く
ような機会を設けるような取組みを一生懸命やっているところでございますが、今回のしながわドリー
ムジョブについては、さらにそれを小学校段階に下げて、しかも一般の企業の方に限らず、スポーツ選
手、パティシエ、モデル、あるいは医者、公務員、さまざまな職種の方、これもこれからなのですけれ
ども、区内で場合によっては広報等で公募をかけて、区内在住の人でそういった方たちを集めていろい
ろな職業について語っていただき、子どもたちがこんな人になりたいと思ってもらえるような、すばら
しい機会にしたいと考えているところでございます。


○横山委員 私は今年1月に品川区の成人式と、あと2分の1成人式にも出席いたしました。演出、
演奏や合唱などの音楽を含めて、どちらも品川区らしい温かみがあって、とても感動いたしました。2
分の1成人式では、将来の夢を発表する児童の中に、お母さんが介護士として働く姿を見て、自分もお
母さんのような介護士になりたいという児童がいました。著名人だけではなく、保護者や地域の方など、
先ほど広報で公募をかけていくご予定ということだったのですけれども、身近なロールモデルの存在と
いうものは、夢の実現に向けた努力の継続を促すという意味でも効果的だと考えます。
しながわドリームジョブと2分の1成人式を線で捉えまして、2分の1成人式の前にさまざまなロー
ルモデルとの交流を通して、児童への価値ある複数の選択肢の発見を支援していただきたいと考えます
が、しながわドリームジョブにご協力をいただく講師の選定方法と対象学年について、最後に教えてく
ださい。


○渋谷指導課長 講師の選定方法については、まさに今検討しているところで、できるだけ区民の中
で身近なところから、そういった人材の発掘に努めていきたい、またそういった方たちには、今後、教
育大使のような形でさまざまな場面でかかわり合っていただきたいというふうに考えているところでご
ざいます。
実施学年については、今のところ4年生を想定しているところでございます。


◆品川区議会 会議録 2015.03.11 予算特別委員会  より一部抜粋しました。

http://www.db-search.com/shinagawa/etsuran/h27-0311y7.pdf