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先月の予算特別委員会の会議録のうち、私の質問を一部抜粋したものを掲載いたします。


2015年3月6日の民生です。


○横山委員 私は207ページの品川介護福祉専門学校、211ページの福祉人材確保・定着事業の
確認をさせていただきます。
まずは、福祉人材確保・定着事業からお伺いいたします。平成27年2月25日の社会保障審議会福
祉部会第5回福祉人材確保専門委員会の2025年に向けた介護人材の確保の議論取りまとめ案におい
て、介護人材を量・質ともに安定的に確保するための道筋を示すことは喫緊の課題とされています。
将来展望、キャリアパスが見えづらく、専門性が不明確で役割が混在するために、早期離職を招いて
しまう。また、就業していない女性、若者、中高年齢者などへの介護職への理解、イメージ向上が不十
分など、さまざまな課題があるかと思いますが、品川区における福祉人材確保・定着の現状と課題をご
説明ください。
次に、品川介護福祉専門学校についてもお聞かせください。現在平成27年度生の選考中かと思われ
ますが、現時点での出願数を教えてください。また、他業種からの参入を促進するという観点から、夜
間部や通信課程の活用の可能性についてもお伺いいたします。
3点目に、外国人介護人材受け入れに関してお伺いいたします。「日本再興戦略」改訂2014にお
いて、外国人技能実習制度の対象職種に介護分野を追加することについて、日本語要件等の介護分野特有の観点を踏まえつつ、年内を目途に検討し結論を得る。そして、介護福祉士資格等を取得した外国人
留学生が卒業後の国内での就労を可能とするため、在留資格の拡充を含め、年内を目途に制度設計等を行うこととしております。
また、我が国では、平成20年度より経済連携協定(EPA)に基づき、特例的に外国人介護労働者
の受け入れを開始し、現在はインドネシア、フィリピン、ベトナムの3カ国から介護福祉士候補者を受
け入れている中で、その更なる活用を求める声があり、外国人介護人材の受け入れのあり方に関する検
討会において検討が行われております。
平成21年、第1回定例会における外国人介護士の受け入れに関する質問に対して、区内法人での受
け入れはございませんが、将来の介護人材ニーズの高まりによって、介護基盤を支えていくためには、
受け入れも必要と認識しているとの福祉高齢事業部長のご答弁がございます。介護分野における外国人
の受け入れについて、現在の品川区のお考えと、受け入れ数や出身国などの現状、今後の方向性をお伺いいたします。

○永尾高齢者福祉課長 介護人材の確保の件でございます。品川区においても介護職を確保するため
には非常に努力していかなければいけないと考えておりまして、スキルアップ資格助成ということで、
介護人材ネットワーク化推進化事業や、初任者研修の受講費の助成事業などをやっております。ただ、
それだけではまだまだ難しいところもあると思います。各法人と連携をとりながら、また、品川介護福
祉専門学校とも話し合いながら、いろいろなメニューを考えていこうと思っているところです。
また、品川介護福祉専門学校の出願者の状況でございます。平成27年3月4日現在、31人の入学
者が決まっております。通信制や夜間というお話でございますけれども、現状では、通信制として、介
護福祉士ではなくて、社会福祉士の専門コースを開催しております。それとともに、あと実際に今働い
ている福祉職場の人に対しての研修等も行っておりまして、現状では、これらを充実させることを考え
ております。
また、外国人の採用でございますけれども、在留期間というのが非常に問題になってくると思います
ので、国の制度もにらみながら、外国人の受け入れが可能であれば検討していきたいと考えております。

○横山委員 ちょっと質問させていただきたいのですけれども、通信制というところで、社会福祉士
のコースを行っているというのは、私も見させていただいたのですけれども、介護福祉士のほうでの通
信制の活用は今後考えていらっしゃるのでしょうか。
また、外国人の人材の部分ですけれども、国の動向を見ながらということだとは思うのですが、現在
EPAではまだ受け入れは行われていないということで、ゼロということでよろしいのでしょうか。

○永尾高齢者福祉課長 夜間や通信制のお話でございますけれども、現状、実習のことやいろいろな
難しい部分がございます。カリキュラムが結構決まっておりまして、それを現在の資源の中でやるのは、
ちょっと課題が多いかなと考えているところです。
また、今、40人の定員ですけれども、現状31人ということで、40人を埋めるような努力もずっ
と続けているところでございます。
外国人の件でございますけれども、国でやっている外国人の受け入れについては、国の制度に合わせ
ざるを得ないかなというところです。ただ、もう既に在留期間が3年以上ある方については、実際介護
福祉専門学校に入学している方もいらっしゃいますので、外国人、日本人に関係なく、制度上可能であ
れば、受け入れていきたいと思っております。

○横山委員 国の動向を見ながら、人材をどんどん活かしていただけるようなサポートをお願いした
いと思います。
私は、介護老人福祉施設の視察を通して、マスコミなどにより介護の一面的なマイナスイメージが流
布されているために、人材不足で大変苦心しているという現場の声をお聞きしました。どのような職種
であっても、仕事にはやりがいがあり、また大変さもあるかと思いますが、認知症介護のやりがいにつ
いて品川区の現場の声をご紹介いたします。
夕方徘徊する女性の認知症の方がいらっしゃったそうです。その女性は、専業主婦をしていた方で、
夕方というのは、夕食の支度や買い物に出かけたり、お子さんや家族が帰宅する時間帯なので、主婦に
とってとても忙しい時間帯です。ご家族からそういったお話をお聞きしながら、その方のそれまでの生
き方をたどることで解決策を導き、適切なケアにつながったというお話をお聞きしました。
また、中高年齢者のシニア採用についても、高齢者店員を積極的に採用する五反田のファーストフー
ド店で、高齢者は無遅刻・無欠勤で非常に真面目に働き、お客様の反応もよく、高齢者顧客が増えるな
どの相乗効果が見られたそうです。福祉の仕事においても、第二の人生を控えた中高年齢者や就業して
いない女性などに対して、生活支援サービスの担い手として、シニア採用枠などを検討したいといった
ご意見もお聞きいたしました。
多様な人材層に対して新規参入を図るために、品川区としてもさまざまな取組みが行われているかと
思いますが、児童・生徒、地域の方へ発信する情報共有イベントの開催、学生や介護に関心のある若者、
主婦層、家族介護者等、介護の魅力や実情に関する地域の方との情報交換と理解の促進、一時的に介護
から離れている層への再就職支援など、介護職への理解促進とイメージアップを推進して、介護の社会
的評価の向上に重点を置いた取組みを進めながら、適切な効果検証を行っていただきたいと思います。
なお、既に一面的なネガティブなイメージがありますから、福祉の仕事、介護職の魅力を打ち出すた
めには、事業者単位での取組みに加えて、品川区として区内の事業者と情報共有・連携をしながら、イ
メージアップを強力に推進する必要があると考えますが、区のお考えをお伺いいたします。


○永尾高齢者福祉課長 品川区の場合は幸い、5法人というところでつながりが非常に強くなってお
ります。法人同士の懇談会等も実施しておりますので、そういう中で、お互いがどういう発信の仕方で
プラス面を引き出せるかということも相談しながら、一つにまとまって、そのあたりのPRをしていき
たいと考えております。


○横山委員 マスコミ、新聞等で介護の仕事はつらい、大変だというところが浸透してきてしまって
いるというか、人材不足に関して、その辺はすごく苦心されているかと思います。いろいろなイメージ
アップ、例えば、芸能人とか、有名人で介護のお仕事に興味がある方をお呼びして、何かイベントを開
催する等、何かイメージアップの効果を狙ったようなことを品川区主導で、ほかの事業者の方々と連携
して行っていただきたいと思います。要望で終わらせていただきます。


◆品川区議会 会議録 2015.03.06 予算特別委員会  より一部抜粋しました。

http://www.db-search.com/shinagawa/etsuran/h27-0306y4.pdf