3月6日土曜日に十三のシアターセブンにて広域一元化条例に関して討論会に参加して参りました。

当日私が主張した内容を下記に記載していきます。

 

なお全編動画は下記にて、シアターセブンさんが苦しい経営状況の中でも住民理解が深まるようにと無料公開して頂いています。

みなさまぜひシアターセブンさんもお見知りおきくださいませ。

 

あと書いてて長文になってしまいましたのでよければパネル資料だけでもさーっとお目通しくださいませ。

 

 

 

当日の次第は下記のとおりでした。

時間配分も多少ずれもありましたが賛成派反対派ともに時間を守って発言が進みました。

前回の相棒は高山市議。主張がしっかりしていて理路整然、心強かったです。

今回は高見市議。政策通でプレゼンもうまい。市議団に留まらず大阪維新全体を政策面で支える主軸。

 

さてまず第一部が広域一元化条例と住民投票の民意について。

 

個人的な結論は

 

「住民投票から100%の民意を導くことは賛成派反対派ともに不可能。大阪市廃止が大きな争点となる中で、大阪市を存続させて二重行政のリスクを低減させることは尚政治的責務。制度として可能な限りにおいて取り組みを進める。その提案が府市一体化条例」といった感じです。

 

まず住民投票は特に今回「大阪市廃止か存続か」が非常に大きく争点化されました。
 

2020年住民投票のタイトルは
「大阪市を廃止し特別区を設置することについての投票」

ちなみに2015年前回の住民投票のタイトルは
「大阪市における特別区の設置についての投票」

 

今回の住民投票に先立ち大阪市選管が「大阪市廃止」を投票のタイトルおよび投票用紙に記載することを決定しました。

下記が市選管のHPです。投票所や公報物においてもよく目にした内容です。

 

 

賛否の結果と大阪市の存廃が連動しています。

街中でも反対派は主に「大阪市がなくなる」を主軸とした主張となっており、大阪市の存廃は結果に大きく左右したと考えています。

 

結果は真摯に受け止めるものの、われわれは10年間二重行政の解消を訴え選挙で大きく議席を頂いてきたところです。

大阪市が存続した上で府と市の二重行政の解消を制度的に可能な限り目指すべき、ということは政治家としての責務でもあります。

 

なお世論の一つとしてアンケート調査などは大いに参考にしているところですが、住民投票時の調査で有名だったABCテレビとJX通信社の共同調査がありました。

多くの方が目にしたんじゃないでしょうか。

 

この調査は前日・前々日の調査結果と開票結果をほぼ的確に合致させたことでも話題になりました。

その調査が本年年明けに広域一元化条例等について再びアンケートを実施。

その結果が下記です。

総合区については賛否拮抗、わずかに反対に傾いていますが、広域一元化条例は大きく賛成が上回る結果となりました。

こういった調査結果からも「大阪市を残したままの二重行政の解消」には一定の世論の支持があると考えられます。

 

あと自民府連に申し上げたいのはそもそも218億円コスト増とかいう都構想制度に無関係なデマ数値を躍らせ世論を大混乱させた上で「住民投票の民意を尊重せよ」と言われても甚だ遺憾・片腹痛いです。

 

 

 

 

 

さてここから第二部。条例の中身について、反対派からの反論に対する賛成派の反論も交えて記載していきます。

説明に際して改めてになりますが二重行政についても少し触れていきます。

 

まずこの条例策定の背景はこれまで述べた通り府と市の二重行政の解消の必要性です。

都構想が最良な策ですが、大阪市を存続させるという住民投票の結果がある以上は市を存続させた上で二重行政の解消を目指すことが趣旨となります。

 

 

 

過去の資料ですが下記は住民投票時に副首都推進本部会議で議論された資料です。

図中の協議体の欄では過去の知事市長がいかに協議の場が持たれなかったのか。

そしてここ10年で知事市長が連動し始めるといかに大阪が動き出したのか、を記載したものです。

 

狭隘な大阪の街で二元化した意思決定は成長を阻害する要因の一つだったと我々は位置付けています。

 

 

下記のよく使用したデータです。

大阪府域における事業所の集積イメージですが、要は大阪市域を超えて経済圏は形成されている。

ところが成長戦略や経済戦略は行政圏域で二元化している。

 

ひとつの経済圏からみると滑稽で混乱しか招かない役所間の二重行政が存在していました。

下記は本条例でも話題となっている市区域マスタープランから抜粋。

赤が鉄道で青が道路ですが、大阪市をはみ出して放射状・環状のインフラが形成されているのが分かります。

 

これも然り。

都心部から伸びる放射状・環状の「ひとつの交通インフラ体系」からみると、行政間の枠組みは非効率となります。

 

 

 

ちなみに下記は横浜市の区域マスから抜粋しました。

横浜市は湾岸部に都市機能が集積しており、市内に緑地や農地も多くみられます。

面積も広く交通体系を市がまるまる飲み込んでおり、大阪と比較すると「市域だけで完結」している様子が見られます。

 

なお横浜市は神奈川県の端に位置しており、かつ経済圏は東京都を意識した都市戦略となっていることも、神奈川-横浜間で比較的二重行政が課題となっていない一因と考えられます。

 

 

さて条例の概要が下記イメージです。

こういった二重行政の課題を府と市で協議しつつ方向性を一にして進んでいこうという趣旨になります。

いま行っている府市協働体制を条例化するものです。

 

 

あと当条例について、事務委託にともなう事務費の移動等はあったとしても具体の事業はすべて市に残りますので市から府に財源がうつることもありません。

 

 

成長戦略や都市計画権限の事務の一部は府に「事務委託」という手法をもって一元化されます。

大阪都市圏全体の成長戦略や交通インフラ戦略を府市一体的に描いていくにあたり上記の事務については府に一元化することでより責任を明確化し戦略的に事務を進めていくことが可能となります。

 

 

事務委託の対象となる事務については府市一体となり、また国も交えたビジョンを描いていく必要があるような広域的なものに限定されており、当然ですが基礎自治にかかるほとんどの都市計画権限は引き続き市において執行します。

なお区域マスなどは直接的に他の権限を束縛する性格のものではありません。

 

 

自民党が本条例に反対することはこれまでの主張と矛盾する

 

さて条例について少し政治的メッセージを記載していきます。

まず私は今回もし自民党大阪府連がこの条例に反対した場合、過去の主張と矛盾しており、結局大阪において自民党の主張は

「反対のための反対」

でしかないと考えています。

 

さてまず昨年の日経新聞インタビューに川嶋市議団副幹事長は下記のように回答しています。

 

川嶋市議いわく都構想ではなく条例で府市間の調整をすれば良いとのこと。

本条例の趣旨そのものです。

これだけ読んでも本来であれば本条例の方向性に賛同すべきことは明白です。

 

また5年前の住民投票時は「大阪会議」が大阪都構想の対案でした。

 

下記自民党府議団HPより引用

平成27年1月19日(月)府議会総務常任委員会が開催され、我が党が先の9月議会に提案した「大阪戦略調整会議の設置に関する条例案」に対する委員間質疑が行われました。

質疑を行ったのは、大阪維新の会、公明党、民主、共産党、大志の会の各会派で、これらに対する答弁に立った花谷(はなや)幹事長は、「大阪戦略調整会議」、いわゆる『大阪会議』は、大阪維新の会の「大阪都構想」への対案であると述べ、条例案の目的や制度の枠組み、メリットなどについて説明し、都構想と比較して「大阪会議」の優位性を強調しました。

 

この大阪会議は府と市で関係者が集い、二重行政を話し合いで解決していこうという趣旨のものでした。

全会一致が原則だったがゆえに機能不全を起こし結局開催が継続されることはありませんでした。

 

しかしその趣旨は「府と市で話し合いで方向性を一にしよう」というものであり、方向性は本条例と合致しています。

 

 

 

 

当時の府議団幹事長だった花谷前府議が当時の委員会において議員提案条例の答弁者として下記のように答弁されてます。

 

 

 

話し合いで府市の方向性を一元化する、にとどまらず驚くべきことに大阪市から大阪府への事務の移管についても5年前に既に言及されておられました。

 

花谷幹事長答弁抜粋

例えば、大阪府がやっている仕事を大阪市さんにやっていただく、もしくは政令市、堺でやらないといけない仕事を大阪府にやっていただく、こういうことが合理的にコストとパフォーマンスが最適化されるんであれば、こういった大阪会議で決めていけたらいいなというふうに思っています。

 

そうですつまり

 

 

 

この間のいかりも込めてフォントがはみ出してます悪しからず

 

もう一回

 

 

 

ということです。

主張の軸を乱されるようであればそれは単に維新憎しの「反対のために反対」にしかすぎません。

 

 

 

すっごい長くなってしまったのでここでいったん今回の記事を〆ます。

 

ともあれ自民党府連としての本条例に対する採決態度は注視しております。

早急に反対の態度を押し決めれば過去の発言の経緯と正当性などから自民府連の主張そのものが論理矛盾を起こす可能性を指摘しておきます。

 

 

反論に対する考え方などについてまだ触れられておりませんのでまた次回以降で随時更新します。

(使用したパネルは掲載しておきます)

本日はここまで。

 

長文乱文失礼しました。