さて、ではなぜ大阪では二重行政が発生したのか。

「市役所が巨大すぎて税の使い方についてチェックができなかったから」です。

たとえば淀川区の税収は410億円あります。

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/9799/00056953/shiryou06_05_zeishu.pdf

ですがこの400億円は淀川区で発生した税収にも関わらず、淀川区だけで使うわけではありません。

平野区でも東成区でも西成区でも、港区でも東住吉区でも使われています。

阿倍野区の4000億円のまちづくりにも、此花区で建てられた1200億円のシンボルタワーにも淀川区の税は使われています。

すなわち、市民は永きに渡り、自分たちの税金が、どこで、どれくらい、誰の手によって使われてきたのかを、判別することができませんでした。

市役所が巨大すぎて、事業が数多にわたり、チェックすることができなかったんです。

淀川区民は、よもや自分たちの税金で此花区に1200億円の「二つ目の」シンボルタワーが建てられていたとは思いもよらなかったんです。

分かっていれば多くの淀川区民が反対したでしょう。ですが分からなかったんです、巨大すぎて、膨大すぎて。


これが二重行政による大規模投資が発生した理由。

「巨大すぎる市役所の中で税金がどのように使われていたのかを判断することができない」ということです。