先日の維新塾第3回目には、外交評論家の岡本行夫先生のご講義を受けてきました。

維新八策の中にも当然外交の記載はあります。

日米同盟の在り方や韓国、中国はじめアジア諸国との今後、ASEANやオーストラリアなど環太平洋での取り組みなど多岐にわたる内容でした。

外交・防衛と経済政策とは表裏一体というか、表裏はないのでしょうが、密に関わっているものだということを改めて実感した次第です。

「外交・同盟とは心理的なものであり、軍事的にいわれる抑止力もまた心理状態である」という先生の言葉は大変説得力がありました。

以前も記載しましたが、外交についてお人よしでは国益をすべて吸い取られて終わりです。

経済的にも外交的にも「強い日本」を打ち立てなければなりません。

心理的に「日本すごいな」というポジションで諸外国と対さなければすべて吸い取られてしまいます。

中国は1982年の中国人民解放軍近代化計画に基づいて着々と海軍の影響範囲を拡大させようとしています。

2010年までに第一列島線 の内側まで防衛線を引き、2020年までには第二列島線まで防衛線を拡大させるという計画です。

なるほどそれに従いベトナム・フィリピンなり尖閣諸島なりへのプレッシャーを上げています。

中国の経済成長が著しいことは周知ですが、それと同時に軍事規模も拡大させ(2ケタ成長。日本は軍事予算縮小)計画通りに周辺海域への圧力を強めています。

尖閣諸島の尖閣諸島中国漁船衝突事件の時には民主党鳩山政権時代で米国との距離が開いたときでした。

基地問題などでのごたごたが、中国側(諸外国側)からしても「日米同盟の絆は薄れている、アメリカの影響が薄れているいまなら攻め時だ」と取られたのでしょう。

確かに、その後クリントン国務長官が日本擁護の発言をした途端中国は静かになりました。

結局は人が動かしているもの。岡本先生曰くの外交・防衛は各国間の「心理状態」で維持されているというのは大変説得力がありました。


日本が取りうる外交防衛の道もいくつかある中で、現在の日米同盟深化がもっとも現実的で安定した道であるという氏のお話もその通りであると考えます。

近隣諸国との集団的自衛については政治体制がまったく違う中、実現は困難。(中国の世代交代の中で次世代次々世代での変化があれば別であるが)

スイスのようにハリネズミのように武装し武装中立を図るか。これも核保有、NPTなどの潮流、国民感覚からも不可能。

そうであるならば現状取りうる手段はやはり、自由と民主主義を謳う米国との同盟を深化させることが現実的に進みうる道である。

核も軍隊(自国自衛のための自衛隊議論とは別)も持ちたくない。徴兵制も想像できない。

ただし不安定な近隣諸国の問題を考えても「安全」ではいたい。

そうであるならば

私たちが安全に末永く暮らしていくためのリスク回避策は、これまでの経過も勘案すると現時点では日米同盟深化しか取りうる手段はないと考えます。

今回の震災がれきの広域処理の問題しかり、「何のリスクもなく安全平和に暮らしていける」という感覚では、日本に未来はありません。

わたしたちの平和な生活のツケ、見えないリスク負担はだれが負っているのかを国家国民が再考しなければ次の日本に未来がありません。

対外的な防衛上のリスクは我が国の自衛隊と米国が負ってくれています。

またその存在を実際に物理的に意識させている沖縄などに配備された米軍基地。この基地そのものが有するリスクは沖縄県民が負ってくれています。

こういったリスクの負担の上で私たちの日本国家の平和な生活が成り立っています。

現在取りうる手段があるとするならば、同盟深化を掲げ、日本の防衛面の安定感を増した後、対外に経済・外交面で強くうっていく。

それにより国益確保をしていかなければなりません。TPP議論などの経済面でもまたこういった部分と絡めてジェネラルに捉えていかなければ現実味がありません。

現在野田首相が訪米中。

国家のため、失った米国の信頼を取り戻し、経済的にも強いかじ取りを期待します。