スーツ姿に身を包んでさわやかにあるく若い方たちをみると、今年も就職活動は大変なんだろうなと感じます。
電車の中や街中にもよく見かけますが、懸命に本を読んだり、資料をチェックしたり。
就職内定率というものが過去最低になったことは最近のニュースでも多く取り上げられておりますが(下記参照)、この問題への解決はそう簡単なものではありません。
景気がよくなればいい、なんて無責任な発言できません。
行政などに就職する方を除いて、多くの人間を雇用するのは企業ですが、では雇用側として求めているものはなんなのでしょうか。
たとえばIBMのGlobal CEO Study に「好業績企業の特徴」というものが挙げられています。
・組織に創造性を発揮させるリーダーシップ
・顧客接点を新たな発想で作り変える
・オペレーションに「巧さ」を追求する
あくまで一部の企業の話かもしれませんが、それでも確かに現場の声です。
要はこういった、時代の移り変わりによって柔軟に変わっていく企業のニーズや特徴について、日本の学生には届いているのでしょうか。
答えを積極的に求めていく学生や、専門的な学習をしている人間を除いて、多くの学生がわけがわからないまま就職活動に突入していくのは、かれらにとって大変過酷で、社会としても無責任かと感じます。
もっと強い社会作り、底力のある経済を目指すなら、「いまの社会とは、いまの経済のニーズとは」を現場に即した声とともに、もっと若いうちから柔軟に取り入れる環境作りが必要かと感じます。
~ 参 照 ~
厚生労働省によると、急速に進む円高、長引く不況の影響で、来春卒業者の10月1日時点の就職内定率が前年同期比4・9%減の57・6%と、調査が始まった平成8年以来で過去最低となっている。
これまで最低だった15年度の60・2%を下回り、民間企業に就職を希望する41万人の大学生のうち17万人が内定を得ていない計算。このペースで推移した場合、大卒者の就職内定率は就職氷河期といわれた11年度の91・1%を下回ることが予想される。
企業の採用意欲を高めるため、厚労省は新卒者や卒業後3年以内の既卒者を試験的に雇用する企業への助成制度を設けるなど雇用対策に力を注ぐ。
ところが、大量採用を続けてきたメガバンクなど金融業界が軒並み採用人数を減らすなど効果は限定的。就職浪人を避けようと、大学卒業後に専門学校へ入学し、スキルアップを目指す学生も多い。
めまぐるしく変化する就職戦線に学生から戸惑いの声も上がっている。
産経新聞 12月4日(土)