いよいよ夏本番  『虫刺され』に注意 | 横山歯科医院

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[いよいよ夏本番  『虫刺され』に注意]

(東京新聞  2010年7月20日)


いよいよ夏本番。
軽装で野外に出かけられる開放的な季節だが、気を付けたいのが
「虫刺され」。
強い痛みや腫れが続く場合などは受診が必要になることもある。
原因となる主な虫の特徴や症状、予防法などを確認した。
(杉戸祐子)


かゆみや痛みなど虫刺されの特徴的な症状はなぜ起こるのか。
東京医科歯科大の元臨床教授の岡恵子医師(皮膚科)は、かゆみについて
「虫が刺したりかんだりする際に、皮膚に注入する唾液や毒に対する
アレルギー反応」、痛みは「刺す、咬むなどによる物理的な刺激と、注入
される毒などの作用が複合して起こる」と解説する。


かゆみを引き起こす代表例は蚊だ。
刺されるとアレルギー反応は2段階に分かれて出る。
刺された直後からかゆみや赤みなどが生じ、約20分後にピークとなって
2~3時間後に消える即時型反応。
刺されて数時間後から同様の症状が現れ、24~48時間でピークになり1週間
程度で消える遅延型反応がある。


アレルギー反応は、加齢により違ってくる。
岡医師は「幼いうちは遅延型反応しか出ないことが多い。繰り返し刺されると
アレルギー反応が出やすくなるので、年齢が進むと即時型反応も出るように
なる。さらに繰り返し刺されると逆に反応が出にくくなり、大人になると
即時型反応だけになり、高齢者は何の反応も出ないことが多い」と言う。


痛みの代表格はアブやハチ、イラガなどだ。
アブは口で皮膚を切り裂く。
ハチは毒針で刺す上に毒を皮膚に注入する。
イラガの幼虫(毛虫)も痛みを生じさせる成分を出す。


虫に刺されたら「とにかくかかない」と岡医師。
乳幼児ではかきむしると、傷口から細菌に感染し、とびひや蜂窩織炎を引き
起こすことがある。
かくことで色素沈着を引き起こすため、大人も要注意だ。

かかないためには、患部を洗って水や氷で冷やし、衣類などで覆う。
市販のかゆみ止めパッチも良い。
「ハチに刺されたらアンモニアが効く」「毒を口で吸い出すと良い」などと
いわれるが、岡医師は「医学的根拠はない」と指摘する。


症状が軽い場合は市販のかゆみ止め剤で対処できる。
症状が強いときや化膿したときは皮膚科を受診し、ステロイド剤や抗生物質
などの処方を受けた方が適切だ。


ハチは、急性アレルギー症状を起こす場合があるため、岡医師は「刺された
経験がある人で、患部が大きく腫れたら受診して」と話す。
急性症状は中年以上で慢性の呼吸器疾患のある人に起こりやすいという。


予防の注意点はいくつかある。
服装について岡医師は「蚊は黒い服や色黒の人の方が刺されやすいようだ。
ハチも黒い衣類に対して攻撃的になる」と言う。


子どもたちを対象に自然体験活動を実施する「野外教育事業所ワンパク大学」
(東京)の三好利和代表は「野外活動では帽子に長袖・長ズボンを着用する」
と話す。
忘れやすいのが足首。
「足首を覆う靴下をはいてほしい」
服装は黒色は避けて明るい色を選ぶ。


蚊に対しては虫よけスプレーや塗布式のジェルが普及している。
「汗で流れることがあるので効果の持続に気を付けて、ときどき塗り直す」と
三好代表。

岡医師は「成分濃度が国によって違うため、渡航の際は現地事情に合った
薬剤を現地で購入した方が効果を得やすい」と助言する。


ハチは呼び寄せないために香水をつけない。

三好代表は、バーベキューなど屋外での料理では「甘い飲食物を出しっ放しに
しない」「イラガは柿、チャドクガはツバキやサザンカなどに発生しやすい
ので近づかない」と助言する。


http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/health/CK2010072002000094.html