
わずか38歳で、フランス、ミッテラン政権において大統領特別補佐官を務めたジャック・アタリ氏。
この書は、2007年フランスでベストセラーになった後、
サルコジ大統領により「アタリ政策委員会」が作られ、
彼の提言により、フランスがどう変わるのか注目されている。
前半は、資本主義の歴史を彼の切り口により語られる。
その中でも、歴史を動かす鍵としての「中心都市」の変遷についての論考が面白い。
ブルージュ、ベネチア、アントワープ、ジェノバ、アムステルダム
ロンドン、ボストン、ニューヨーク、そしてロサンジェルス
各時代の基幹産業をベースに、周囲の消費地を抱え
世界中の富と情報が集う中心都市。
チャンスがあったにもかかわらず、なれない要因があったパリと東京
この歴史をベースに、これからの21世紀の歴史を紐解く

ダニエル・ピンク著「ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代」で語られているような
流動(不定住)知識人の出現、そして国家の弱体、保険管理社会の出現、石油と水を巡る争い
民主主義が抱える危機を読み取っている。
後半は、かなり悲観的なテーマが多い
それだけ、やるべきコトは多いということ
では、日本は?