プロジェクトの下準備の調査で、目黒区役所に行く。
目黒区役所は、元々1966年に竣工した旧千代田生命本社ビルを
同社の経営破たんに伴う資産処理の一環として、2000年に目黒区が購入、
2003年に大規模なリノベーションを施し、区役所として再生した建物。
元々の設計は、村野藤吾、75歳のときの作品。
彼の作品と言えば、宇部市民館、日生劇場、
そして残念ながら取り壊されてしまったが、そごう百貨店大阪本店等
素材とディテールにこだわった感性あふれる建築と言える。
この建築でも、工業製品である外装のアルキャストのルーバーを用いながらも
建物本体部分と一体化し、端正なファサードを作り上げている。
リノベーションにおいて、村野のデザインを残すという基本方針があり、
見事に再生されたのだが、現代の仕様でも通用できるほど、空間のポテンシャルが高かったとも言える。
現代設計する立場から考えると、40、50年後にも通用するポテンシャルとはなんだろうと考えてしまう。