先日、上場企業の幹部の方と話す機会があった。
その企業は、新しいオフィスに移転するに当たって
個人の席が特定されないフリーアドレス形式を採用したという。
最近は、この形式を採用するオフィスも増えているが、移転が数年前であり
先行事例として、見学者も絶えないとのこと。
設計・デザインする側として、実際の使用状況は気になるところである。
そこで、詳しい実情を聞いてみることにした。
内線は社内携帯、連絡等はEメールで、「こと」は足りるのだが、
部下がどこにいるのか(社内にいるのか?)分からないのが不満だと言う。
「仕事を進める上で、やはりコミュニケーションが欠かせない。」
と言う。
「結果も重要だが、失敗の目を早めに摘み取るのは、上司の役割。
それを把握するのに重要なのは、部下の仕事中の気配」
そのため彼の部署では、フリーアドレスを導入しつつも、
座るエリアの指定をしているとのこと。
個人の席を特定せず、自由に席を選べる形式で
出張、外回り等が多い営業のセクションなど、
実質一日にオフィスで働く人数分の席を用意すればいい考え方なので
スペースの有効活用の観点から、オフィスのリニューアル・移転に伴い
採用させることが多いという。
とある新聞で、このようなフリーアドレスオフィスの現状が紹介されていた。
現況は、あたかも「社員食堂」状態と評していた。
つまり、仲のいい人が近くに集まりやすいということらしい。
フリーアドレス形式は、スペースの観点からは効率的だが、
最終的な効率にどう結び付けられるか?
オペレーションやバックアップサポートの充実がさらに求められる
それは部署により変わるでしょうが、確定的なものはなく、
ここの会社ごと、部門ごとに違う対応が求められる。
仕事の仕方同様に、今後も絶えず進化は続くでしょう。