横須賀美術館 | 横山武志建築設計事務所blog

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若手建築家のアイデアの素

横須賀美術館に行きました。


場所は、横須賀の観音崎

目前に海が広がる風光明媚なところ


若手建築家 渋谷 設計事務所 中庭


建物は道路からセットバックして建てられており、

芝の前庭が広がる。


この何もない空間が、素晴らしい間をもたらし

美術館と海を引き立てる気がする



若手建築家 デッキ 設計事務所 住宅 中庭



若手建築家 渋谷 設計事務所 中庭


美術館の建物は、ガラスの箱の入れ子状の構成。

海が近いため塩害を考慮してとのこと


若手建築家 デッキ 設計事務所 住宅 中庭


入れ子の内部のハコに丸い穴、
トップライトのように自然光を内部に落とす

若手建築家 デッキ 設計事務所 住宅 中庭


美術館のアプローチ部分には、

日高良美シェフプロデュースのレストラン”アクアマーレ”

 

(今回は時間がなく未体験)


美術館へはこの庇のアプローチを通るのだが

レストランの客席前を通ることになり

来場者との視線が交錯。


このアプローチの奥のスペースの方が良かったかもしれない。



若手建築家 渋谷 設計事務所 中庭


美術館エントランスホール
トップライトからの光が優しく落ちる

若手建築家 渋谷 設計事務所 中庭


エントランスホールから入口をみる


若手建築家 渋谷 設計事務所 中庭


エントランスホール吹き抜け
らせん階段で屋上広場へ

若手建築家 渋谷 設計事務所 中庭


屋上からは、目前の海が一望できる


若手建築家 渋谷 設計事務所 中庭


館内サイン
具象的なサインは、印象的。
端的で非常に分かりやすい

展示室は、1階に企画展示室、地下に常設展示室。
地下の展示室は、2層吹き抜けのギャラリーと
それに取り付くハコの構成。
ギャラリーは、建物の外壁際を巡り、
入れ子状のトップライトから光が降り注ぎ、心地よい空間。
地下という圧迫感も感じない。

美術館の展示室と言うと、どうも展示物をどう見せるか?
という観点の美術館が多いが、この美術館は、動線上の空間体験が豊かに思う。
規模は違うが、国立新美術館は、単調で息が詰まる。
展示物をどのように構成するか?については、あれだけのハコの大きさがあるので
自由度はあるが、ハコ自体が大きすぎるので、最後まで息が続かない。
おそらく、1時間半から2時間が限界でしょうし、
新美術館は人が多すぎるのも疲れる原因です。

休憩スペースはあるにはあるのだが、小さいし、わかりにくい
残念ながら、途中の休憩まで含めた構成までは難しいのかもしれない

東京近郊の美術館というと位置づけが難しいのでしょう
自分自身も行く機会がほとんどありません。
主として企画に魅力を感じないことも要因だが
常設展を含め、情報発信性が乏しい。
運営は難しいのでしょうが、残念でならない。
この美術館も、なぜこの敷地か?という議論もあったとのこと。
横須賀の市街地から離れ、バスでしか行けない不便な土地。
市の施設をリノベーションして美術館にという意見も。
確かに金銭的にはその方が安いかもしれないが、
敷地は景勝地であり、その環境をクローズアップし、
周辺の公園との一体化を計っていることから
このビジョンも成功しているように思えます。

もちろん、今後の運営が重要なことは間違いありませんし、
公共事業であるからには、波及効果自体も適切に評価しないといけないでしょう。