建物は、定期的にメンテナンスは必要であり、
集合住宅は、20-30年に一度大きな改修をする必要があります。
その大きな改修とは、水廻りの設備であり、
特に配管の交換は、かなり大きな工事になります。
築25年のマンションは、これから給水管の交換を予定して、
その工事のモデルルームを見学させてもらいました。
床の素材は、長尺や畳。
基本的に床はコンクリートに直貼。
給水管は、玄関脇のMBから躯体内を通り、配管されています。
当然、床下すらないため、配管スペースもなく、
既存の給水管の交換は、不可能であり、
配管を新規に通すとのことです。
通すところは、廊下や壁に直接這わせ、
エアコンの冷媒管の隠しのような配管カバーを被せるという。
廊下や洗面所の壁面にのたうちまわる配管を見たときには
かなりぎょっとしました。
竣工当時の設定にこのようなメンテナンスの考慮がされていない結果なのですが、
いろいろ考えさせられる問題です。
以前、某有名建築家が監修した分譲マンションを内覧したことがありましたが
コンクリート打ちっ放しの壮観な外観ではあったものの
室内の梁に露出するエアコンの冷媒管のカバー
トイレの配管隠しと思われる床の立ち上がり等の設備の意匠処理の仕方が
目に付いたことを覚えています。
メンテナンス的には、露出が一番良いのですが
それを加味してどう収めるのか?
難しいことですが、建物の長寿命化を考えれば、
スケルトンインフィルをさらに発展させて考える必要があると思います。