一般的には知られていませんが、
建築の批評評論雑誌に『10+1』[テンプラスワン](INAX出版)という雑誌があります。
というより、これからは「ありました」と言わなくてはなりません。
また一つ雑誌が消えてゆきます
※websiteは残るようです。
→10+1website
『10+1』は、1994年の発刊。
都市や建築の批評、言説を纏めた硬派な雑誌。
丁度、自分が大学院時代であり、
今思えば、一番頭でっかちの多感な年頃(?)だったこともあり
創刊当時は、割と買っていた雑誌でした。
当時の風潮として、建築論は、作品とともに
語られるべきテーマだったと思います。
それから10数年、建築における状況も変化していますし、
建築を扱うメディアも専門誌が次々と廃刊し、
批評のないカタログ的な一般誌が続々と創刊された10年でした。
さらにインターネットにより、劇的に社会に変化がもたらされています。
情報は爆発的に増えましたが、本当に「濃い情報」は
今も昔もその数は変わらないように思えます。
情報が多様化したからそこ、人々の選択肢が増え、
一つのテーマに集中しない(注目を集めない)社会に
向かっているのだと思います。
それはそれで、それぞれが立てる視点が幾つも成立するので
ある意味、面白い社会になるのではと思っています。
検索技術により、すべての階層がフラットになることもあり、
自分も皆さんとこのようにブログを通じてコミュニケーション出来るわけですから。
それは、素晴らしい世界です。