RCにて、石踊達哉氏の卓話を聞く。
石踊氏は、瀬戸内寂聴氏の「源氏物語」にて五十四帖の装幀画を描き、
また昨年には、金閣寺方丈の杉戸絵と客殿各天井画を制作されるなど
素晴らしい活躍をされている。現在は花鳥画を中心に取り組んでおられる
とのことだが、大学以来一貫して取り組んでいたわけではなく、
20年前にパリで生活を始めてからという。
卓話の中で、金閣寺の関係者の方の話が紹介されたのが
非常に印象に残った。内容は、「我々、仏教界は、日本美術を育てていく義務がある」と。
(正確ではありませんが、そのような意味でした)
確かに、日本美術は、社寺と密接な関わりを持ち
室町以降、杉戸絵、襖絵、屏風、工芸へと文化が花開いていった。
金箔を用いた技法も、なぜその煌びやかさが美しさを勝ち得たのか?
日本建築に潜む「光と闇」の空間が、日本美術の根底にあるのだと思う。
石踊氏が杉戸絵を制作した「金閣寺方丈」は、今年特別拝観できるようです。
「金閣寺方丈特別拝観」
2月23日(土)~6月30日(月)[
※4月15日(火)のみ拝観休]
9時~16時(受付終了)