Jim Jarmusch監督作品「パターソン」観てきました。2016年作品です。

 

映画『パターソン』公式サイト (longride.jp)

 

同監督映画は1995年制作の「デッドマン」以降の作品を

観ていなかったので、久々のアップデートになりました。

 

主人公はパターソンという田舎町に住む

「パターソン」という名のバスドライバー。

美しくて無邪気な芸術家肌の妻と、ブルドッグと

暮らしている。

何気ない日常の出来事を慈しみ、ノートに毎日詩を紡ぐ。

小さな街の中で、時々ちょっとした出来事が起こるけれど

彼はまた新たな気持ちで日常を迎えていく。

最近カンヌやアカデミー賞で話題になった

ヴィム・ヴェンダース監督の「パーフェクトデイズ(2023年)」に

イメージがつながりますね。

 

ジム・ジャームッシュ作品ということで、ついつい「クセつよ」を

期待してしまいます。確かにちょっと危なっかしい部分を抱えた

人物は出てくるのですが、主人公の毎日を変えるほどではなく

「平和」な仕上がりになっています。

 

「パターソン」の街の美しい情景、綴られる詩の世界。

主人公とその妻も美しい。こんなに平和でいいのか

途中まで半信半疑になるほどでしたが、最後は疑いを捨てて

リラックスして観ました。

 

ジャームッシュと言えば「ロード・ムービー」

反してここでは一つの街しかでてきませんが、

同じ日常の繰り返しの中で不思議な浮遊感を感じさせるのは

ジャームッシュマジック?

 

出演者にジャームッシュと旧知の仲の永瀬正敏さんが入っていたので

どんな役で出てくるのだろう、と思っていたら、最後に登場。

これが結構スパイス効いていました。

 

面白いな、と思ったのは、主演俳優の名前。

アダム・ドライバー

劇中の主人公の名前が町の名前と同じ「パターソン」

主人公のバス運転手を演じた俳優の名前が「ドライバー」

絶対偶然ではないと思うのですよね。

アダム・ドライバーさんは「スターウォーズ」等で活躍の

俳優さんだそうです。

彼の持つ透明感が映画をさらに優しくしています。

 

それら登場人物を押しのけるほど存在感が大きかったのが

ブルドッグの「マーヴィン」。

昨今観た「落下の解剖学(ジュスティーヌ・トリエ作品)」

「瞳をとじて(ヴィクトル・エリセ作品)」でも

犬が大活躍でしたが、マーヴィンを演じたブルドッグの「ネリー」

パルムドッグ受賞したそうです。

犬映画好きは必見です。

観終わった後、じわじわ湧いてくる幸福感がたまらない。

近々また観に行こうと思います。