この修道院は、南フランスのプロヴァンス地方の
森の中にあります。
世間とはかけ離れた場所で、神への奉仕を行う、
といった考え方からでしょうか。
1200年ごろに完成したこの建物は、ロマネスク建築と
いう様式に分類されています。
しかし、他のロマネスク建築とは異なり、聖書の
物語を語るような柱頭の彫刻や、天井画が葬礼に
彩られてはいません。
この修道院から装飾は排除され、粗い石が積み上げ
られているだけです・・・
教会や修道院において、華やかな彫刻や壁画等で、
彩られているものが多い中、ロマネスク建築は
まさに質素倹約な建築です。
後のモダニズム建築につながる様式とも言われ、
重要視されています。
モダニズム建築の巨匠「ル・コルビュジエ」は、
自身の作品「ラ・トゥーレット修道院」の設計に
際して、何度も見学に訪れたとの事です。
他の様式と比べて、だいぶ陰気な建築です。
少しの光しか入らなかったり、壁が厚かったり・・・
今の苦しい経済状況時に改めて評価される建物と
いえるかもしれません。
