浦和レッズ対横浜FCの試合をSさんと見に行った。

久々にJ1でのカズが見れると思って楽しみで仕方がなかったんだ・・・


浦和美園へ向かう電車の中、ずーっと寝ているつもりだったが、

読書が楽しくそのまま続けた。

本の内容がとても面白くてそしてパワフルで、どんどんページが進む。

そのうちの一つ、自分の考えでは有り得ないようなシーンがあった。

回想する・・・


ある男がある経理会社に勤務中、近くのレストランの女性に恋をする。

毎日のようにランチに通いついに告白するが相手には店のオーナーシェフの旦那がいた。

しかしその女性に旦那と別れて自分と一緒になれとプロポーズをする。(え?マジで!?)

勿論その女性は断るが、それでも彼は諦めず店に行き、そして口説く。

また店に行って大盛りのカレーを注文する。

本当に困っている女性。

女性は立場がない・・・

そこへオーナーシェフの旦那が女性の後ろで腕を組んで仁王立ち。

旦那に向かって別れてくださいと迫る。(ここまでする?)

最後の手紙をと丁寧に書いて店に送る。

その女性が読んだかは分からない・・・

元々1年で辞めるつもりだった経理会社を半年で辞める。

ここまでは回想シーンだったはずだ・・・

男はひたすら黙々と働いている。

一年後手紙が届く。

苗字に心当たりがない・・・

なんとその女性から一年後に旦那と別れ旧姓名で返事が届く。

(唖然!!マジで?)

強烈なプロポーズ、自信、パワーに圧倒されたか女性は旦那を拒むようになったと言う。

拒絶するようになってしまったと。

旦那は、お互いに若いからやり直しが効くだろうということで離婚したそうだ。

このまま夫婦生活を続けていてもと思った・・・

(そんなもんですかね?)

回想おわり・・・


ね!!なんかこの一つの話でも凄いでしょ!!

って読んでいるうちに乗客が増えてきて異様な雰囲気になってきた。

目的が同じような空気が漂う。

乗客のほとんどが赤か黒。

俺、カッコウは全身黒(ウインブレ上下にボアコート)だけど、

PUMAの青いバッグ肩に掛けて持ってるけど大丈夫かな・・・


駅に着いたら、これみーんなこれサッカー見に行くの?って感じ。

この人も?この人も?え?この人も?お金出して、電車賃払って、試合を見るの?なんで?

そんな思いだった。

自分の14年前の記憶にはない思いがした。

「サッカーをお金出して見る人がこんなにいるの?」


駅の外に出た。

何もない。

あったのは建設中のマンション3棟、大きいイオンのショッピングセンター、区画整理中の駅前と・・・

そしてテレビで見たことのあるあの埼玉スタジアム2002だった。

駅前のロータリーには国旗掲揚ポールが5本あった。

中央のポールにブルーの日本サッカー協会の旗?かな?3本足のカラスの青い旗、右に横浜FC、そして左に浦和レッズの旗。

何もない駅前も凄いが、無い中にこれがあったことが凄いと思った。

そして僕の後ろにぞろぞろと引っ切り無しに駅から降りてくる赤い人人人・・・


しばらく駅前の交通整理のおじ様と世間話をする。

建設中のマンションを眺めては始発駅で駅前のマンション、会社の青山までは乗り換え一回で1時間・・・

なんて考えながら、青空に向けて口を大きく開けたスタジアムに着くまではまた読書をする。

広い歩行者専用道路をゆっくり歩きながら読書をする。

ひと段落毎に田園風景に目をやり、ぽつりぽつりとある民家の瓦屋根を眺め、

地元の若い衆なのかやたら大きい声や物売りの男の薄着を気にしながら傾きかけた太陽の熱を確かめるように歩を進める。

途中、左手の自分の屋敷内の空き地へ車を誘導するため、

老人が持つにしては大きな「P」のボードを家の前でパイプ椅子に座って持っている様子を見守りながら、

点滅の信号の必要さえ無いような交差点で赤い棒を振る誘導員に軽く会釈をして、

次のページをめくり前のページの忘れ物を捜すかのように自分も振り返る。

そして気がつくことは、自分が赤い人の群れの真ん中にいること、

駅から連続して射出されるかのような赤い玉に流され飲み込まれるんじゃないか?という錯覚と、

確実な日本サッカーの歩みだった。


俺はこの14年間どこで何をやっていたんだろうか・・・


会場に近づくにつれて、いると思った海外ユニホームの即席販売。

一枚1000円は安いと思った。15年前なら間違いなく買っていたかもな。

俺に子供がいれば欲しいといわれれば欲しい分だけ買ってあげるのに・・・


着いた。

ここまでの時間などぜんぜん気にならなかった。勿論駅からの歩きもだ。

スタジアムの外は賑やかだった。

入るのがなんだか勿体無いくらいだった。

入る前に周りの景色を目に焼き付けていた。

南には伐採した切り株が土の斜面に露出していた。

何か建物を建てるのだろう。道路も建設されるだろうな・・・


入ってすぐにコカ・コーラのイベントコンパニオンから振舞われたコカ・コーラのカップドリンクサービスに少なくとも感激した。

赤いカップの白い内側に注がれた黒いコカ・コーラが美味かった。

駅から時間をかけて歩いて来た客は喉が渇くし、イメージも良く最高に美味しいと思った。

(今度コカ・コーラ本社の営業の方が来たら誉めてあげようと思う。)

余談だが、手渡してくれた女の子が新垣結衣さんに似ていて赤いTシャツがとても似合っていた。

(Sさんが遅刻しなければ一緒に写真をとって貰えたのに~♪ ←冗談です!!!)


入場の際、いろんなものを貰いながらスタジアムに入った。

しちょっと得した気分。


スタジアムに入った。凄い声!凄い人!

そして凄い赤。赤赤赤、本当に真っ赤だった!

本当に、本当に、赤で埋め尽くされて超満員。

これみんな有料で入ってるんでしょ?

これは楽しいだろう!集まっている人も楽しいだろうね。

そしてここでプレー出来る選手は最高だろうね。

普段給料もらってサッカーして、そしてここでお金払って見に来る人で満員になるんだから・・・

浦和の永井選手が86分に決めた決勝ゴールの時は凄かったよ。

試合後のヒーローインタビューの後、

イレブンに遅れて一人で赤く埋め尽くされた四方の観客席に走って挨拶に行く姿は最高にかっこよかった。


試合のことを少し。

前からプレスする浦和に対してハーフまで引いて守る横浜FC。

オウンゴールの時は左サイドを割られた瞬間に入れてくるんだから中央の守備は前向きでクリアできるポジションを早く取らないとああなるよね。もうあそこからはオフサイドは無いんだからあのボールを触ったポジションまでの2m程はダッシュでの予備動作が必要と感じた。初戦だし、アウエーだし、相手は昨年チャンピオンで引いているならサイドでの寄せもあんなには要らなかろう。放り込んでくるのを待っても良かったんじゃないかな?

前半40分過ぎに浦和の足が止まったね。そこでサイドチェンジしてから右に起点ができて、さらに一つ中に入り込んで打った25m程のミドルシュートの同点弾はしびれたよ!ガッツポーズした!


久保はもっと守備を頑張らないとダメだなあって感じていた時間帯があった。ここがキーポイントになった。

浦和の攻撃が終わらないのは理由がある。

横浜の攻撃が完結されず終わり方が悪い。そしてそこがこのゲームの山でもあった。

確実に浦和が格上。

だからこそ、守備が頑張って相手の悪い攻撃の芽を摘んで繋いだ後の処理が悪かったことに気がつかないいけないし、そうしないとこの先は無いだろう。

山口がボールを落ち着かせサイドに振る。

その後サイドの選手は前向き。ここでこの後の久保へのポストプレーで潰される。

挟みに行ったボランチに簡単に処理される。

ここでファールと判定されなければただマイボールを失っただけになる。

そんなサッカーは100年前のサッカーでも同じこと。

試合を通して得点シーン以外は横浜はことごとく浦和の連動したプレスに苦しんだ。

何も出来てなかったに等しいも言い過ぎではなかろう。


そこでだ、そこでの対応策。

(勿論これがベストではないがこの選択の方がぜんぜん良いだろう)

高いラインの守備の裏のスペースへオフサイドにならないように繋ぐようにボールを蹴っておき、

後ろ向きで処理せざるをえない浦和DFに苦し紛れのクリアーをさせ、

スローインをもらうか、中盤で前向きで取ることを考えて欲しかった。

それを素早く逆へ繋いでサイドが切り込んでシュートまたは攻撃を終えていればあの失点は無かったと何度も思った。そして悪くても引き分けの試合だったはずだ・・・

そうすれば大事な開幕戦でしかも昨年チャンピオンの浦和レッズのホームゲームで勝ち点1が獲れたはずだった。

GKと守備陣が本当に良く防いでいたのに本当にMOTTAINAI試合だった。

(試合を見た人で反論ある人はどーぞ!!!)

それが今日唯一横浜が格上の浦和に勝つ方法でもあった。

それなのに何かが出来ると思ったか(思うことは良いことだが狙われていることは監督の高木氏も知っているだろうが!)、

狙われている久保へ入れるものだから攻撃の起点どころか他に準備した前の選手全員が浦和に前向きで取られた瞬間に”前残り”してしまうことになる。

これを何回繰り返しているか?もう呆れる程。

これを久保にキープしろというなら、久保へパスをしろというなら、浦和のDFに他の攻撃の選択肢もあるという迷いをあの局面で見せなくてはならないし、ボールの貰い方にも、もっと緩急をつけないとだめだろう。

そこに入れてくるのだから、そこには単独の香車しかいないものだから、勝っている強気のイケイケの浦和には守りやすい。

(上記したような選択をしていれば勝ち点1は獲れたんじゃねーの?)

このようにして、分厚い攻めがぜんぜん出来ないため勝つ目が無くなったと見ていた。それがとても残念だった。

あんなに超満員だった赤い人たちもなかなか点が入らなくてなのか?向こうのゴール裏の人たち以外は後半の最後の方まではほとんど応援してなかったんだからさ・・・
(終了4分前の永井のゴールでみんな応援を再開したみたいに見えた。入った時はこと時ばかりに万歳していたけどねえ・・・)


もう一つ。

相手が浦和で残り時間4分まで1対1だったんだから良くやったよ!と思っていたら横浜FCもこれで終わりよ。

上位との試合が続いて厳しいだろうけど、その分絶対にこの一年で横浜FCは更に強くなると思うので満足してないと思うけど是非頑張って欲しい。

そしてカズさんだね。

今度こそ試合に出て欲しい。

直前で怪我があったみたいけど、僕は必ずまた試合を見に行くので頑張ってください。

今日は負けてもいいからカズさんの姿をピッチで見たかった。

そして勝てたチャンスもあるにはあったので惜しい試合で悔しかった。

どっちを応援していたというよりも、俺ならこうするって横浜側から見ていたから以上のように思ったことを言っちゃったけど、関係者の皆さんゴメンナさい。


開幕。Jリーグ・・・

パワフルで早くて本当に凄かった。

浦和の応援の声が本当に凄かった。

がんばれ横浜FC!がんばれ浦和!がんばれカズさん!がんばれ私!


最後になりますが、明確に一つ。

どう戦うかってことをチームに浸透させることを徹底的にやってほしい。

曖昧すぎ!と感じたのは事実。

偶然何かが起きるのを待っているようではダメでもっと理論的にいかないとね・・・。