謎多きダイオウイカの深海での撮影に世界で初めて 成功した時の映像が、13日の『NHKスペシャル』(後 9:00)で世界に先駆けて放送されることがわかった 。NHKは10年にわたる調査の最終段階として、国立科 学博物館等と共に有人潜水艇を用いた調査・撮影の準 備を進め、昨夏、小笠原諸島でおよそ100回、400時 間以上に及ぶ潜航を行い、小笠原諸島父島の東沖の深 海でダイオウイカに遭遇。世界で初めて撮影に成功し ていた。
真っ暗な深海で光るダイオウイカ
ダイオウイカは、触腕(2本の長い腕)まで入れる と、大きなものでは全長18メートルにもなるという地 球上最大の無脊椎動物。古代から世界各地でさまざま な伝説として語られ、欧米では“船を襲う海の怪物”ク ラーケンのモデルとして知られる。これまで世界中の メディアや研究者が、その生息域である深海で泳ぐ“ 生きた姿”の動画撮影に挑戦してきたが、いずれも失 敗に終わっており、「見果てぬ夢」とされていた。
同局では感度の高い目を持つダイオウイカに感づか れにくい特殊な深海撮影用超高感度ハイビジョンカメ ラを開発。それを最新鋭の透明ドーム型潜水艇に搭載 し、ダイオウイカ研究の第一人者である国立科学博物 館の窪寺恒己博士、同局のカメラマン、操縦士3人が 深海へ潜った。
窪寺博士は、これまでにも2004年に小型カメラを 水深900メートルの深海に下ろし、世界で初めてダイ オウイカの生きた姿を500枚もの写真に収め、2006年 には深海漁(水深数百メートルに仕掛けをおろし、メ カジキや大型のイカなどを狙う漁)での調査中にダイ オウイカを生きたまま釣り上げ、水面で泳いでいる姿 をビデオ撮影することに成功している。
今回、カメラがとらえたダイオウイカは、2本の長 い触腕は切れて短くなっていたものの、大きさは3メ ートルほどあり、完全な状態であれば、全長7~8メー トルと推測される超巨大イカ。深海でダイオウイカを 目の当たりにした窪寺博士は「今まで調べたダイオウ イカ、海岸に打ち上がったダイオウイカと違って、輝 くような美しさを持っていました。これは本当に価値 ある映像で、今まで“謎”とされてきたダイオウイカの さまざまな生態を導き出してくれるでしょう」とコメ ントを寄せた。
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